【呪術廻戦】ギャルと呪術-3-

101：ギャルとヨシヨシ ページ1

＿＿＿＿。




蝉は、夜に鳴かない。


だから、邪魔する者は誰もいないんだよ。



＿＿＿＿。



「変なとこで気使ったな」

五条はソファーの前にしゃがみ、Aの寝顔を覗く。

自分のベッドなんだから、僕のこと叩き起こせば良かったのに

「風邪ひくよ」

手を伸ばし、顔にかかった髪を払ってやる。
起きる気配はない。
それを分かって、五条は尋ねる。


「傑と僕、どっちがいい？」


返答は勿論返ってこない。
意地悪な質問だな、僕って性格悪〜なんて思って自嘲気味に笑う。
やめだやめだ。

五条はAを抱き上げる。
横抱きにすると、無意識か頭を胸元に預けてきた。

「…こっちの気も知らないで。マジで勘弁しろよ、泣かされたいのか？」

寝室までAを運びながら、参ったな本当とため息をつく。

起こさないようにベッドへ降ろす。
五条はAを暫く眺め、起きる様子が無いのを見届けると「よし、五条悟任務完了」と満足げに呟く。

「さてと、僕はソファーで寝ますか〜」

なんて呟き踵を返しかけた途端、指先を掴まれた。
ほぼ反射的に振り返る五条。
そこには、眠たげに瞼を半分だけ開け、自身の指先をチョンと掴むAが。

｢...｣

掴んだまま何も言わないA。
五条は息をするのも忘れる。

これは...起きてるのか？

｢...先輩？｣

ためしに呼んでみる。
返答はない。
とろんとした目でこちらを見上げ、指先を掴んだまま。

一体どういう状況なんだ

思った矢先、Aが口を小さく動かした。

｢さとる...｣

ふにゃふにゃした声音。
思わず五条は、舌を噛み｢ひゃい｣と言葉を返す。
すると、Aは声と同じ様にふにゃふにゃと表情を緩めそして＿＿＿＿。


｢おいで｣


｢ちょ、待っ、｣

そのまま指先を引かれ、ベッドの中に引き込まれる。
五条からすれば、もうそれは混乱状態であった。
無量空処も泣きながら土下座するぐらい、もうそれはそれは混乱状態であった。

あれよあれよと言う間に、ベッドに全身が引き込まれ、しまいにはAにゆっくりと撫でられる。

｢よし、よし.....｣

ほぼ寝言に近い声。
撫でる手も、眠気に完敗してか暫くして後頭部に手を添えられたまま止まってしまった。

五条はといえば、一瞬の瞬きもせずされるがままにしていた。

これ、どういう状況？
僕、Aに添い寝してる？
待って、Aもう寝た？



｢僕の股間、爆発とかしないよな？？？｣


あまりの出来事に、知能が下がる五条。
股間は爆発などしない。

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