【呪術廻戦】ギャルと呪術-3-

136：ギャルと闘魚 ページ36

｢でもまぁ、お前アイツ嫌いだろ？｣

｢えっ…なんで、｣

｢うーん、なんとなく。あ、違った？｣

そう言って、振り向く青年。


あ、この人
凄くあのお姉さんに似てる


顔が、とかじゃないけれど、なんというか雰囲気が似てる。


その後、順平は青年の後を着いて行った。
制服に着いた渦巻きボタンを持つ人間が、たとえ真人の言う呪術師だとしても、彼はきっといい人だ。


あのお姉さんに似ているのだから。





＿＿＿。


地下道、戦闘は激しさを増す。
七海は鉈片手に例の継ぎ接ぎ呪霊＿＿＿真人が放った改造人間を叩き斬る。
キリがない。

Aも同じで、彼女の体を狙い形を変えた改造人間。

｢ッ、｣

Aが避けると、改造人間は地下道の岩壁にぶつかった。
岩壁が崩れ、土埃を巻く。

｢いつまでもお前に構ってられるか…ッ｣

Aは、引力を混ぜた呪力を足に纏い改造人間を蹴りあげる。
人間だと思って躊躇すれば、食われるのは自分だ。
倫理観を無視し捻じ曲げられた者が、もう元には戻らないことをAは知っている。

自分の領域展開が、まさにそれだから。

蹴りあげられた改造人間は、奇妙な悲鳴をあげ弾け飛ぶ。

そして、すぐさまAは地を蹴って真人の背後を取った。

｢七海ッ｣

Aの掛け声と共に、七海は追いかけてくる改造人間を後ろに真人へと迫った。
後ろから、正面から、どちらの攻撃を真人が受けたとしてもただでは済まない。

真人はにた、と笑い別の改造人間を二人目掛け放った。

｢クソ…ッ｣

七海は改造人間をなんとか鉈で切り落とす。

｢さて、こっちは…｣

Aがどうなったかを確認しようと、真人は空中で体を反転させた途端。

｢お前、私の事嘗めすぎ｣

放った改造人間は、Aが結んだ引力により岩壁にぶち当たっている。
Aは呪力を纏わせた拳を、真人の顔面に浴びせた。

真人は吹っ飛び、顔面半分を破損させる。

改造人間の上に降り立つ七海、その横につくA。

｢Aさん、奴は質量関係なく体の形を変化させます。私とは相性が悪い｣

｢りょーかい。変更しよう、私がアタッカーする｣

Aは殴った拳を、握ったり開いたりと繰り返した。
あまり殴った感じがしない。
妙な呪霊だ。

｢タス……ケテ……｣

Aと七海の耳に入る言葉。
それは、七海の足元からだった。

改造人間が涙を流している。

｢あー、ごめんごめん。たまに魂の汗？が出てくるんだよね｣

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