【呪術廻戦】ギャルと呪術-3-

129：ギャルと捜査開始 ページ29

＿＿＿＿。


午後6時25分。

映画館を後にしたA達は、伊地知を交え都内貸し会議室にて情報を整理しあっていた。

｢という訳で、これが目撃情報などを纏めた地図になります。大体犯人のアジトは掴めるかと｣

｢七海お仕事早いねぇ｣

立っている男三人を尻目に、Aは悠々と椅子に座っている。
そんなAをギラリと睨みつけ｢デスクワークを丸投げしたのは何処のどいつですか？｣と七海は冷たく尋ねるが、当のAは知らんふり。

｢伊地知、お仕事何連勤目？社畜って超辛いからなぁ、休みたい時は自分優先で休めよ？｣

｢い、いや、それでは七海さんにも仕事が向かってしまうので…｣

｢悟にやらせればいいよ｣

｢何度も言ってますが、五条さんを顎で使えるのは貴方だけですから｣

七海はため息混じりに付け足し、説明を再開する。

｢ここからは二手に別れましょう。虎杖君｣

｢押忍！｣

悠仁は元気よく拳を掲げて見せた。
なんでも言ってくれという感じに、悠仁のやる気は満ち溢れている。

七海は相変わらず淡々とした口調で説明をしながら、黒板に一枚の写真を貼り付けた。

前髪が長く、暗い雰囲気を持つ一人の青年。

｢Aさんのツテから流して頂いた写真です｣

｢お、解析出来たんだな！｣

悠仁の言葉に、Aは｢まぁね｣と得意げにブイサインを見せた。

｢彼の名前は吉野順平。察している通り、映画館の監視カメラに映っていた例の青年です｣

警察から横流ししてもらった情報によると、青年＿＿吉野順平は被害者達と高校が同じであり同級生であることが判明していた。

｢一般客を予想していたのですが、被害者と関係があると話は別です。呪詛師である可能性は＿＿、｣

｢ないね｣

七海の言葉を遮り、Aはきっぱりと言い切った。
七海が説明を求めるよう目を向ける。
Aは、写真に視線を向けたまま言う。

｢彼、会ったことあんだよね｣

｢ええ！！？｣

伊地知が素っ頓狂な声を上げる。

｢じゃあ、Aは最初からコイツのこと分かってたってこと？｣

悠仁の問に、Aは｢まさか｣と首をすくめてみせた。

｢名前なんて今回の調査で知ったし、解析写真が出るまで思い出せなかったよ。去年ぐらいかなぁ…飯奢ったんだよね｣

｢…なんで？｣

悠仁は眉を潜めた。
一体、名前も知らない相手とどんな経緯でそうなるのだ。

｢奢ってやりたくなる顔してたから…？｣

｢何故疑問形なんです｣

呆れた、と七海はため息をついた。

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