【呪術廻戦】ギャルと呪術-3-

125：ギャルとレッスン ページ25

＿＿。

｢悠仁さぁ｣

映画館へ出向く数日前のことである。
今日も今日とて、自分よりも随分細いAに呆気なく倒される悠仁。

つい先程蹴りを入れられた腰を擦りながら、悠仁は恨めしそうにAを見上げる。
傷一つなく、悠々と佇むA。

自分よりも、体格も身長も筋肉量も小さく低いはずなのに何故何度挑んでも負けてしまうのだろう。

｢例の呪力パンチ｣

｢逕庭拳ね｣

｢ジャジャン拳みたいな技名で確定なの？｣

チンピラ宜しくしゃがんで、二人の動向を見守っていた五条が口を挟んだ。
カッコイイじゃん、と五条は続けるがAはいまいち納得がいっていない様子だ。

俺もかっこいいと思うけどなぁ

悠仁は二人の会話を聴きながら思う。

近接指導は、Aが普段メインで行い五条が補うという形で行われた。
何より、A曰く｢呪力に関しては私指導向いてないんだよね｣とのこと。

Aと五条は何故だか面白い程に息がぴったりで、Aが苦手な事は大抵五条が得意だったりする。

やっぱり、“フリ”なんてしずに普通に付き合えばいいのにな、と悠仁は内心思う。

｢呪力が遅れてやってくるのはいいけど、それって“当たれば”成功する内容だよね｣

｢えーっと...それは、当たらなきゃ意味無いってこと？｣

｢そう。もっと言えば、当てられる隙も与えれなかったら意味ないねって話。ほら、今の悠仁って避けるのに精一杯でしょ｣

｢...A容赦ねぇから｣

Aの攻撃は、当たった瞬間Aのペースに持っていかれる。
一度体制を崩せば、そこから先はAの独壇場だ。
だからこそ、悠仁はなんとかして攻撃を防ぐことに徹せねばならなかった。

おかげで、受け身はかなり上達したが。

Aはふふんと笑うと、｢このゲームには必勝法がある｣とカッコつけた。
横から五条の｢ライアーゲームかな｣という呟きが聞こえる。

｢いいかい、悠仁君。ミソは相手をギリギリまで引きつけること。この時、ビビってたらボコボコにされるから覚悟しときな。守備を捨て、ギリギリまで引きつける。相手は攻撃が入ると確信した時、守備がガラ空きになるから｣

どんな生き物も、獲物を仕留める寸前は油断が生まれる。
それを上手く利用するのが、今回の必勝法だ。

｢その瞬間に叩き込め。自分の事は守る必要はないよ。攻撃に全振りし、殴られる寸前で攻撃すること｣

Aはパチとウィンクを見せる。

｢そうすれば、絶対に当たる｣


＿＿＿。

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