087：ギャルと追跡 ページ37
鬱蒼とした木々達。
先程までその光景だったはずが、今目の前に広がるのは花々だ。
その美しさと、醸し出される香り、空気。
A含め、悠仁に五条は「わぁ…」と感嘆の音を漏らしてしまう。
「超綺麗！え、写真撮る？悠仁、はい写って」
「やったー、Aと写、」
「先輩、これ呪術！」
声を張った五条に、二人は思考を現実に戻す。
そうだった、今なんでこんな気分に。
「戦意を削がれた…？」
一瞬にして神経を周りに注ぐ。
Aの空気が、瞬時に研ぎ澄まされた。
五条と背を合わせ、互いに術者を探す。
「気配したか？」
「いいや」
建前上、口元に笑みを浮かべる。
予期せぬ状況にゾクリとする。
その時、後方で悠仁の叫び声がした。
咄嗟に視線を向ける二人。
地面から突如として生えた木は、ぐんぐんと驚異的スピードで成長を遂げ悠仁の片足を絡めとり宙吊りにした。
「…！」
自分たちの視線を潜り動く影。
姿を捉えたのはA。
少し遅れ五条が気づく。
漏湖の頭だけを片手に、逃げていく白い身体。
人からかけ離れた姿は、まさに呪霊。
「二人共、俺は大丈夫そいつ追っ、ごめんやっぱ無理ヘルプッッ！！」
悠仁を好き勝手に振り回すと、いつの間に自我を持ったのか木は生物が如く見た目に変化し、大口の中に悠仁を放り込もうとした。
「悟、悠仁を頼んだ…！」
「A！？」
呪霊を追い、駆け出すA。
五条は呼び止めようとAを呼んだ。
Aが後ろ背に、五条へと叫ぶ。
「大丈夫！次はアンタを泣かせるような真似しないから！」
「…っ」
手は出さない。
五条はすぐさま言葉の意図を察し、「泣いてねーって」と小さく零すと術式で木々を祓った。
花畑の上に投げ出される悠仁。
Aを追うか…
いや、すでに呪霊の気配もAの気配もない。
「先輩、気配消すの上手いからなぁ…」
Aの気配を追えば、あの不気味な呪霊にも辿り着くかもしれない。
考えたが、それは無理そうだ。
「先生、Aは！？」
「追ってた…大丈夫だと思うよ。奴ら、Aを殺す…いや、手を出すつもりはなさそうだし」
逆に、それが何故なのか。
頭の片隅で考えながら、「それに、」と五条は続けた。
「約束は破らないしね、あの人」
五条は、心配いらないと悠仁の頭に手を置く。
「さて、一旦悠仁を送ったら僕はここに戻るよ。先輩と落ち合わなくちゃだし」
気づくと、悠仁は再びあの地下室に戻ってきていた。
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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます！遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください！！ (2月1日 12時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました！内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます！エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました！！応援してます！ (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます！！いえいえ、全然大丈夫ですよ！！4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです！！まだまだ続くので、今後もお楽しみに！ (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。４のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです！！！夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです！０のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです！今後も応援してます！ (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年12月19日 3時
