【呪術廻戦】ギャルと呪術-2-

086：ギャルと花畑 ページ36

驚くしかなかった。
悠仁は、最初から今の今まで目の前で起こった事に、ただただ驚いていた。

｢さぁ〜て、誰に言われてここに来たァ？｣

｢君、吐いた方がいいよ？コイツ性格悪いから、あの手この手で君の事虐めるだろうし｣

長い足で漏湖の頭を踏みにじる五条。
そのすぐ横で、呪霊相手にまるで友達のように喋りかけるA。


何もかも、格が違う。
あの領域展開や、この富士山頭を前に、どうしていいか判断出来なかった俺とは到底レベルが違う。
Aの戦闘は見れなかった。けど、俺は知ってる。

ずっと、Aは楽しそうに笑っていた。
遊園地に連れてこられた子供みたいに、けど、瞳には獣を飼ってるみたいな。
いつもの笑みとは底なしに違った。

呪術師最強の五条悟。
それと、随分前に伏黒が言っていた。
Aは、バケモノだって。

今じゃ俺はこう思ってる。
Aだけじゃない、2人共バケモノだ。


生物としての格が全く違う。



｢命令されて動くタイプか？｣

｢いやぁ、プライド高そうじゃない？｣

五条の問にAが答える。
未だ頭だけとなった漏湖は、口と目を開き静かになっている。
死んではなさそうだが。

｢先輩も襲ったんだもんなぁ…｣

｢私に手を出していい隙は何回か与えたつもりだけどね。ほら、悟が居なくなった時も襲ってこなかったし。2人でお喋りしたもの。ね？｣

漏湖に尋ねるが答えない。
Aの言葉に、五条は｢え！？｣と大袈裟に驚いてみせた。

｢先輩とお喋りしてたの？？はぁ〜〜コイツ、益々憎らしいねぇ〜｣

｢そんなもの、ッ、してなど、おらぬわッ！｣

｢あ、喋った｣

なんて呑気なんだ…悠仁は少し後ろで眺めながら思う。
五条は目隠しを片側だけあげ、「どちらにせよ、」と続ける。

「僕らを襲うと、何かいい事でもあるのかな……相手は誰だ？」

五条の言葉に、凶暴性が上乗せされる。
言葉を急かす五条は、足裏で漏湖の頭部を踏みつけた。

「誰がッ…言うか…！」

ぎゅむ。
「威勢がいいな」と、五条はより強く踏みつける。
あまりにも横暴なので、Aは急いで「殺すなよ！？」と釘を刺した。

「先輩こいつに優しくない？嫉妬に狂うよ、僕。嫉妬に狂った僕は面倒だよ？先輩の家の合鍵100本とか作り出すよ？」

「五条家の教育ヤバくない？」

瞬間、漏湖と五条の間に飛んできたのは、木。いや、花だろうか。
すぐさま持ち前の体幹を利用し、Aは後方に飛び退いた。


辺り一面に花畑が広がる。

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