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083:ギャルと経験値 ページ33

漏湖は顔を顰めた。
何故なら目の前にいるのは、寸分足らず狂いのない虎杖悠仁なのだから。

「今さ、この子に色々教えてる最中なんだ。君は気にせず戦ってよ」

いつも通り、軽薄な態度で五条は言う。
目の前の呪霊、もとい漏湖と五条を悠仁は見比べた。

「…Aも、戦うの?」

「まさか。コレで十分」

コレ、とAは五条を指さす。

「…十分?…足で纏いを連れてくる上に、その態度か…」

悠仁との会話を前にし、漏湖は瞳を怪しく爛々とさせた。

「愚かな奴らだ」

口の端を釣り上げ、漏湖は至極余裕げに煽る。
本当に、心の底まで愚かで反吐が出る人間共だ。と。
しかし、その目の前にしている人間は違った。

五条は乾いた笑い声を出し、「大丈夫でしょ」とまで言い退ける。
それは実にヘラヘラした態度で、彼が軽薄な人間なのだと思い知らされる。

「だって君、弱いもん」

五条の言葉に、Aは「あーあ…」と額に手をやった。
同時に、漏湖に対し『終わったな』と確信した。

唖然とする漏湖。
言葉を理解するより前か、とにかく漏湖は貶されたのだと本能で理解した。
頭部、両サイド、漏湖から勢いよく吹き出る火柱。

「舐ァめるなよォ小童ァッッ!!!」

ザァッッと、漏湖の怒りに呼応し湖水の水が三人へと襲いかかる。

「ほら、怒ってんじゃん」

「だって本当の話だし」

Aの言葉に、五条は肩を竦める。

「そりゃまぁ、悟よりは弱いだろうけど。悠仁、こんな大人になってはダメだよ?」

突然名指しされ、悠仁はこくこくと急いで頷いた。
悠仁はAと五条のやり取り、目の前の呪霊、『弱い』という言葉。
全てに置いて理解が追いついていなかった。

なんで、この二人動じてねーの?
だってこいつ…目の前の、こいつ…
今まで出会ったどんな化け物よりも、化け物だぞ…!?

途端、自身の腕に別の腕が絡み付いてきた。
はっとし視線を向けると、Aがこちらを覗き込んでいる。

「ダイジョーブ!最初だけだよそう思うの」

Aがにっと笑った。
それって…Aも最初はそう思ってたってことで、良いんだろうか。
悠仁はごく、と生唾を飲み込んだ。

「さて、お二人さん。僕から離れないように」

五条が言ったと同時、目の前で漏湖は腰を低くし指同士をくっつけあった。
それはまるで、大黒天の手印を思わせる指同士の契印。

「領域展開、『蓋棺鉄囲山』」

湖水は、途端に火山口を思わせる情景へと移り変わる。

これこそ、呪術の極地___領域展開

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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます!遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください!! (2月1日 12時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました!内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます!エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました!!応援してます! (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます!!いえいえ、全然大丈夫ですよ!!4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです!!まだまだ続くので、今後もお楽しみに! (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。4のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです!!!夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです!0のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです!今後も応援してます! (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月19日 3時

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