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080:ギャルと労災保険 ページ30

「A、離れないでね」

先程よりも真剣な声で言う。

「離れられるように見え、」

言いかけたその時、呪霊は両手に炎を構え二人に投げ込んだ。
すかさず、Aは人差し指を立て近くの木と炎を引力で結びつける。
方向転換し対象を変えた炎は、衝突した木々を焼いていく。

僕はといえば、頭を炎で燃やされた上に腹部に打撃を喰らわされていた。
だからって、どうって事はないんだけど。

けど…Aは安全な場所に移した方が良さそうだな

立ち込める土埃と煙の中、咄嗟にAの腕を掴むと爆風の中に引き込んだ。文句を言われそうだが、仕方ない。

ごめーん、先輩♡

「可借夜Aも巻き込んだか?まぁいい、その程度ということか。…所詮他人の評価。人間はやはり紛い物だな」

呪霊は衣服を翻し、「万事醜悪反吐が出るッ!」と吐き捨てると踵を返した。
殺した。確実に。
そう思い疑わなかった。

しかし

「クソ後輩…、巻き込んでんじゃ、ねぇ…」

「だって、先輩あんなとこ居たら巻き込まれちゃうよ。僕から離れないでね」

ぴた、と呪霊は足を止めた。
何故背越しに声が聞こえるのだ、と。

「お前いい声でいえば許されると思ってない?」

「いい声で言えば許してくれるんですか??」

「遂に残り少ないネジが今ので溶けたか。治す為に労災保険降りますかって夜蛾ちゃんに聞いてみな?」

「呪術界は労働基準クソなので無いです」

なんて呑気な会話。
かたや呪霊は驚きと静かに煮え立つ怒りを感じ始めていた。
ゆっくりと振り返る。

「どういう事だ…?」

無傷の二人が立っている。
どころか、土埃すらもついていない。
無傷で綺麗なまま。

「確実に触れたぞ…?」

その言葉にくっと笑ってしまう。

「君が触れたのは、僕との間にあった無限だよ」

「…?そこの可借夜Aもか…?」

「ちょい待ち。私、名前知られてんの?……呪霊界じゃ私有名人なのかな。」

Aはむむっと顎に手を添える。

僕はまだしも、先輩の名前が…?
若干疑問に思ったが、尋ねるのは事が終わったあとでいい。こってり絞ってやる。

「先輩の間にも無限をちょっとね」

僕が触れる必要があるけど、と付け足す。

ちょっと遊んでから、やるか。

「手、出して。ほらほら」

掌をぱっと出してやる。
横でAが間延びした声で言ってきた。


「悟〜、殺しちゃダメだかんね〜」


____。

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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます!遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください!! (2月1日 12時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました!内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます!エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました!!応援してます! (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます!!いえいえ、全然大丈夫ですよ!!4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです!!まだまだ続くので、今後もお楽しみに! (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。4のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです!!!夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです!0のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです!今後も応援してます! (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月19日 3時

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