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075:ギャルと覚醒 ページ25

___。

16歳、夏。

「夜蛾」

Aの体は血みどろだった。
二本の足で立っているのが可笑しいくらいに血を流し血溜まりを作る。
夜蛾はもう立つこともままならなかった。
声を発する気力もなく、視線だけでAを見る。

Aの目の前には、一体の大きな呪霊が居た。
紛れもなく特級。

それを見上げるAの瞳が、爛々と獣の様にギラついた光を帯びている。

完全にハイになっていた。


「呪術界って、思ってた以上にクソだな」

Aは続ける。

「私の”友達”は、そいつらのクソのおかげで死んだんだよな」

Aは先程、”友達”を失った。


「決めたよ、夜蛾」


Aは突然、指を雁字搦めに組み始めた。

何してるんだA。
やめろA。
お前はまだ、術式すらまともに使えないんだぞ。

夜蛾からその声は出ない。

Aは歯を見せ、やけくそに笑う。


「呪術界なんて、私がぶっ壊してやるよ」


その時、ありえない程呪力が高まった。
夜蛾は目を丸くする。


「領域展開」


そんな、馬鹿な。


「『真言・天地開闢(しんごん・てんちかいびゃく)』…ッッ!!」


瞬間、バツンッと音が鳴り響いた。



この日、可借夜Aという人間は突然覚醒した。
四級以下と思われた少女が、一夜にして術式の極地へと到達したのだ。


呪術界始まって以来の、異端児。


夜蛾はのちに語る。
彼女の領域展開が未完成で良かった、じゃなきゃ死んでいた。と。


____。


「はぁ!!?初めてのまともな術式が、領域展開!!?」

五条が一際大きな声を上げ、Aは耳を塞ぐ。
悠仁だけが訳の分からない状態だった。


領域展開…って?


「だって、呪霊倒すのにはその手段しか無かったんだもん。出来るかなぁーって思って、腹括ったぞーって」

そしたら出来たから良かったね、とAは呑気に笑う。
聞かされた五条は呆気に取られた顔をしたあと、空気が抜けたように溜息をついた。
普段は振り回す側の五条が振り回されている。

「…先輩さ、アンタ本当バケモンだわ」

ソファーに座り込み、五条が言う。

「先生、その領域…なんとかってすげぇの?先生も出来る?」

悠仁が尋ねる。

「勿論、出来る。けど、先輩程じゃないかな」

「何そのお世辞、面白くない。アンタのも大概じゃん」

Aがムッとした顔をすると、五条は「よく言うよ」と返していた。

「へぇ…先生が言うってことは、やっぱAすげぇんだ」

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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます!遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください!! (2月1日 12時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました!内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます!エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました!!応援してます! (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます!!いえいえ、全然大丈夫ですよ!!4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです!!まだまだ続くので、今後もお楽しみに! (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。4のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです!!!夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです!0のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです!今後も応援してます! (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月19日 3時

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