073:ギャルと教え子 ページ23
___。
「夜蛾ちゃーん」
「入れと俺がいつ許可を出した?」
つかつかと学長室に入っていくAに、夜蛾は顔を顰める。
しかしAはなんの悪びれもなく、「私と夜蛾ちゃんの仲じゃん」と返した。
「私の第二の親的な?」
「……」
これにはぐうの音も出ない。
大体、”私”といつも言うところをAの前では”俺”と言ってしまっている時点で、自分はAの無礼講を無意識に許しているんだなと夜蛾は思う。
それもそうか。
呪術について何も知らないAをここまで導いたのは、紛れもない自分だ。
「…で、何のようだ?」
「ツカモト貸してー」
「なぜ?」
「うっぜ〜、夜蛾ちゃんって昔から理由求めるよなぁ」
Aがわざとらしく肩を竦めた。
こういう所が本当に昔と変わらないなと夜蛾は思う。
「訓練で使うに決まってんじゃん」
「誰が?」
「…私、が?」
「疑問形の時点でお前には貸せられん。そもそも、お前が使う必要はないだろ」
「……貸してくれないんだ。まじ病み…リスカしよ…ここで。」
「やめろ」
夜蛾は大きくため息をついた。
どうしてこう、A相手だとペースに飲み込まれるのか。
何が何でもAは貸せと言うだろう。
長年の付き合いだ。分からない訳が無い。
「…分かった。しっかり耳揃えて返せよ?」
夜蛾はツカモトを取り出すと、Aへと投げた。
「やったーー!!夜蛾ちゃんラブ!さっすが、教え子との絆!!」
Aはツカモトを抱きしめ、夜蛾へにっと笑って見せた。
やれやれ、本当にやれやれだ。
ふと、夜蛾はAに言わなくてはならないことを思い出した。
「そういえば、お前宛に上から連絡が来てるぞ。全く、俺は伝言役では___って居ない!!?」
学長室には既にAの姿はなく。
代わりに、廊下には逃げていくAの姿があった。
「しーらね」
べ、とAは舌を出す。
____。
「と、いうわけで悠仁君には呪骸と映画を見てもらいます!!」
地下室で声を上げる五条。
「ちなみに、名前はツカモトね」と付け足すA。
もはや、それは悠仁にとってどうでも良かった。
何が楽しくて、この無遠慮に殴ってくるクマと映画を見なくてはならないのだろう。
悠仁は殴られたばかりの顔を抑える。
地に降り立つは、気の抜けた顔をしているクマのぬいぐるみ。
「なぁ、本当にこんなんで呪力コントロールできんの?」
悠仁は半信半疑で尋ねた。
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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます!遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください!! (2月1日 12時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました!内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます!エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました!!応援してます! (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます!!いえいえ、全然大丈夫ですよ!!4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです!!まだまだ続くので、今後もお楽しみに! (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。4のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです!!!夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです!0のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです!今後も応援してます! (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月19日 3時