069:ギャルと猛獣 ページ19
「さーってと、Aさんが稽古つけてあげちゃうよー!」
棘の頭に顎を載せ、Aは呑気にいえーい!と腕を上げる。
その姿に、野薔薇は「…狗巻先輩良いようにされすぎじゃない?」と言ってみる。
先ほどから棘はAに無抵抗だし撫でくりまわされ手軽に扱われ、その姿まるでペット。
「まぁ、棘は赤ちゃんだから」
「おかか」
「何言ってんだこの人」
「あっさり否定されてるしな」
パンダと真希はAへの対応がかなり雑だ。
とはいえ、無礼講が働けるほどの信頼関係が同時に窺える。
「っつーか、A稽古つけに来たのかよ。丁度いい、呪具の相手しろ」
「時間あったらな。優先は___一年!!」
ビシッと一年二人にAは指をつきつける。
「特に、野薔薇!!」
「わ、私!?」
突然名指しされた野薔薇は、素っ頓狂な声をあげた。
Aは棘から離れ、野薔薇の肩を抱く。
Aからは甘くも爽やかな香りがし、野薔薇は女にも関わらずドキリとしてしまう。
こりゃ確かに好きになっちゃうわ…
頭には自身の担任を描き思う。
「どんなに術式が強かろうが、懐に入り込まれたら対処出来ないと即死にます!と、いうわけで…まだまだ近接スキルがベビーな一年をAさんはバシバシ扱きます♡」
Aがパチリとウィンクを見せる。
反して、言葉を聞き届けた伏黒はゴクリと生唾を飲み込んだ。
二年の三人は、一年二人を見て哀れな目を向ける。
可哀想に
「Aさんが稽古?」
「そうだよ、野薔薇〜」
ふふ、とAは笑う。
「私から一本でも取れたら、欲しい物なんでも買ってやろう」
野薔薇はその言葉に目を見開いた。
「GIVENCHYのリップ!!」
はいはい!と挙手し、野薔薇は言う。
しかし、伏黒は何も言わない。
欲しい物がない訳じゃない。
伏黒は分かっているのだ。
”Aに稽古をつけてもらうとはどういうことなのかを”
俄然やる気を出し意気込む野薔薇。
「真希〜、勝敗数数えて〜」
「けッ、ンなもん数えるまでもねーだろ」
真希が嫌味か?と吐き捨てる。
その言葉の意味を野薔薇は知らない。
「足引っ張るんじゃないわよ、伏黒」
「釘崎、」
「あ?」
準備運動をする野薔薇が、伏黒を見た。
「…俺は、あの人に勝ったことなんて一度も無いぞ」
「え…」
野薔薇は反射的にAを見た。
「いつでもかかって来な、ガキ共」
ライオンの檻に放り込まれたウサギの気分って、きっとこんな感じだ。
野薔薇はその時本能で思った。
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鼻毛太郎(プロフ) - Reginaさん» コメントありがとうございます!遊びに来て頂き誠に嬉しいです😭🤍作品の楽しみ方も、書いている側としてはとても嬉しく、本当余すことなく楽しんで頂けてとってもらぶ…… 本編、まだまだ続きますが、是非楽しんでいってください!! (2月1日 12時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
Regina(プロフ) - 高専編から読ませていただいて本編に来ました!内容はもちろんのこと、毎度イメソンが天才すぎてイメソン聞きながら読み返したりしてます!エンディング波のゆくさきで考えていらしたのも物語の深さにマッチする曲だと思うのですごく感動しました!!応援してます! (2月1日 11時) (レス) @page50 id: c70aaf3a6d (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 伝説のパンダさん» コメントありがとうございます!!いえいえ、全然大丈夫ですよ!!4本もシリーズがあるので、流石に間違えることもありますよね...私でさえ「これ3だっけ、4だっけ」ってなるので…0の方も読んでいただきとっても嬉しいです!!まだまだ続くので、今後もお楽しみに! (2021年3月8日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - 申し訳ありません。4のほうにコメントしたつもりが、なんらかの手違いでこちらにコメントを飛ばしてしまったようです。本当に失礼なことを…次はもう少し興奮が引いたときにコメントします…すみません…。 (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
伝説のパンダ - もんのすごく面白いです!!!夢小説はめったに読まないので、まぁ暇つぶしに…と思って読み始めたのがこちらの作品で、不覚にも大沼にハマってしまいました…本当に好きです!0のほうのお話、パパ黒大好きなのでそちらも凄く好きです!今後も応援してます! (2021年3月8日 8時) (レス) id: ec9a309dee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月19日 3時