078： どき、どき ページ31
「君…一体いつそれ覚えたの…？」
「秘密」
Aは艶やかな表情のまま述べると、「それじゃ、ごゆっくり」との言葉を最後に出ていく。
「待っ、A！！？まだ能力解除してないけど！？凍ってるけど！！？」
ヒソカは力づくで引き抜こうとする。
しかし、こればかりは引き抜いた場合恐らく両手を持ってかれることになるだろう。
わぁ…Aちゃんってば、とってもサディスティックなんだねぇ…
Aが後ろ手に扉を完全に閉め終えると、パキンッと氷が弾け両手が解放された。
手の感覚を取り戻すため、手を開いたり閉じたりを繰り返す。
徐々に熱が戻る手。
ヒソカは自身の掌を見ながら、ふと思い出した。
この手で、さっきまでAの細い腕を掴んでたんだな。と。
顎を掬い上げた時、凄くビクビクしてたな…ああいうこと、案外初めてなんだろうか。
首筋、白かったなぁ。
あの首に、跡つけた人…居るのかな。
あの時、Aは開発したての念能力を使って上手く逃げていった。
雰囲気関係なく、呑まれない所がAらしいというかなんというか。
何てことないような顔をして、上手くすり抜けていくA。
とはいえ正直、ああでもして逃げてくれなきゃ不味かった。
食べようとしていた。ぺろりと。
「……獲物」
ぽつりと零す。
Aは、獲物だ。オモチャだ。ボクだけの、黄金の果実。
なのだが、あの時の心臓が沸騰する感覚はなんなのだろう。
どうしようもなく、引き止めたくなって触れたくなって＿＿＿そういう感覚というのは。
ヒソカは壁に凭れる。
「よく分かんないなぁ…♧」
なんて鼓動の早さだ。
こんな感覚、初めてだ。
どっどっどっ
と、文字通り心臓が鳴っている。
顔が酷く熱い。
逃げ出す時、変な顔していなかっただろうか。
上手く誤魔化せただろうか。
ヒソカの衣服を握ったまま、壁に背を預けAはずるずると座り込む。
「食べられるかと、思った…」
あのまま食べられて、自分は熱くなってそのまま溶けるのかと。
本当にそう思った。
咄嗟に能力を使い、ヒソカの気を逸らせたが…。
なんで『どきどき』しているんだ私は。
「……友達、なのに」
ヒソカは、友達だ。ただの男友達。私の、ストーカーでもあるけど。
あるけど、その相手を前に何故『食べられてもいいや』なんて一瞬思ったんだ。
どろどろに溶けそうになって、このまま溶けちゃってもいいや＿＿なんて。
眉間に皺を寄せる。
「よう分からん…。」
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鼻毛太郎(プロフ) - rinochan810さん» ありがとうございます；；とっっても嬉しいお言葉…！読みながらドキドキして下されば、夢書きとして本望です…！これから2人の関係が徐々に変化していくので、楽しみにしていてくださると有難いです！ (2020年9月14日 23時) (
レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
rinochan810(プロフ) - あの、本当に素敵です…ドキドキさせられてます…。いつも楽しみにしています。これからも応援してます…！ (2020年9月14日 19時) (レス) id: 06f6601bca (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ミリさん» コメントありがとうございます！文章に関しては、普段文字量が詰め詰めで申し訳ない…と思いながら書いていたので、そう言って頂けると凄く嬉しいです；；今後も、更新が遅くなる日もございますが宜しくお願いいたします！！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
ミリ - はじめまして。リメイク前の作品も読ませていただきました!!どちらも面白かったですし、文章も読みやすかったです。絵もステキですね!!!これからも読ませていただきます!!! (2020年8月19日 14時) (レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - Aaaさん» リメイク前の作品まで読んで頂けるとは…！とっても嬉しいですありがとうございます！！今後も、ちまちま細々と更新していきますので是非最後までお付き合い頂けると有難いです…！ (2020年8月10日 21時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年7月27日 0時
