【H×H】赤ちゃんはどこからくるの？-2-

063：　元気になりすぎて ページ16

思わず目を何度か瞬きさせてしまう。
ふわりとAの匂いが香り、漸くヒソカは自分がどういう状況なのかを理解した。
しかし、上手く声がでない。

Aが、自分から抱きしめる？
酔ってもないのに…？

悪い夢でも…いや、いい夢を見過ぎているんじゃないか？とまで思ってしまうぐらいだ。

「はい終わり！！」

ものの５秒程度で、Aは腕を解くと離れろと言わんばかりにヒソカを引き剥がす。
顰めっ面で、如何にも不服そうに腕を組みながら、Aは早口で言う。

「勘違いしないで、これはただの”ご・ほ・う・び”だから。このくらいすれば、貴方も満足して黙ってくれるでしょ？言っとくけど、それだけの話だから！」

そうは言われても、あのAが一瞬でもデレた。
その事実を思えば思うほど、ヒソカの中でただならぬ感情が膨れ上がる。
Aから抱き締めてくるなんて、あの酔った勢いで知り合ってしまった日以来だ。

「何よ、黙ってないで何か言、うっわなんて顔してるの気持ち悪ッ」

ダイレクトに包み隠さず投げつけられたAの言葉。
思わずAは、ゴキブリでも見るかのような目を向ける。

「いやいやだって、こんな事急にされたら…あぁもう、君本当に悪い子だなぁ♡見てよ、ボクのもう一人のボクがもうこんな元気にっていうか、元気になりすぎて痛いっていうか、」

「わざわざ見せるな！！！」

ズボン越しとはいえ、とんでもないモノを前にAは急いで顔を覆う。

「どうしよう、これもうちょっとやそっとでは治まらないと思うんだよね？？悪いんだけど、鎮めるためにこれ扱いてくれないかな？？君の手で…♡」

「うわあぁぁぁ私の手を握るな！！？」

「お金払うから！！」

「買収するなァッ！！」

身の危険を感じるA。恐らくここで、よくわからず頷けば明日の朝は、ベッドの上で足腰を痛め目覚めるかもしれない。
成人はとうの昔に超えている。さすがに知識がないわけではない。
化物ストーカーによって、貞操が奪われるなんて望んだ展開ではない。
お願い、ダメです、と二人の攻防が始まる。

ええい、拉致があかん…！！

「大人しくしないと、去勢しちゃうわよ…ッ！」

「……ごめん、急にもう一人のボク大人しくなったみたい♢良かったね、A。新しいボクの調教法覚えて♤」

「良くはないけど、ヒソカ君のヒソカ君が思ったよりも生存本能に正直で良かったわ。女の子になるのだけは勘弁よね。」

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