【H×H】赤ちゃんはどこからくるの？-2-

061：　専売特許 ページ14

『俺がお前に電話をした理由…尋ねるだけだと思ってた？』

大間違い、と無機質な言葉がキッパリと告げる。

『俺は最初からヒソカに”教えろ”っていう前提で電話をかけたんだよ。』

「…君にしては、断定が早すぎるんじゃあないかな？」

イルミの言葉に、ヒソカは瞳をすぅと細める。
しかし、イルミは怯まない。

『そんなことないね。だって、ヒソカにしては反応薄いからさ。四六時中ねーさんを追い回してたお前が、10日間もねーさんを追いかけてないなんてあり得ないだろ。”自分も見つけ出せていない”なら分かる。”知らない”は可笑しい。』

淡々としているが、普段よりも口数の多いイルミ。
姉の身を思うが余り焦り、そして此方に苛立っている。

我が弟ながら鋭いな…
Aは、顎に手を添え眉間に皺を寄せる。

「ボクも最近忙しかったんだよ♧」

『仕事を放棄してでもねーさんを追っかけるお前が？』

これには流石のヒソカも敵わない。
ヒソカは参ったとAに対し、肩を竦めて見せる。

ここまでか…

通話口からイルミの、『黙ってないで答えろ。』と急かす声が聞こえる。
Aはその言葉に、私が代わるわよとヒソカへ掌を差し出した。

すると、ヒソカはAに対しクスリと笑って見せたのだ。
なんて笑みだ、この顔はよくない。
だって、この顔を見せた後Aはいい思いをした事がないんだから。

けれど、今日ばかりは何時もとは違う。

今ヒソカは、Aの味方である事だけは確実だ。

こいつ……！

ヒソカは「答えろ、ねぇ♢」とゆっくり述べる。

『勿体ぶるなよ。場合によっては、お前に針を刺すのもありだと思ってるんだ。』

「くく、君は姉の事になると本当見境いなくなるね…♤けど、まぁ君がそこまで言うなら答えよう。」

ヒソカが机に凭れ、上手く”嘘”を紡ぐ。

「数日前、Aから一本だけ電話が入った。内容は、大きな仕事を熟しているから暫くは会えないし探すなという内容だった…」

『大きな仕事…？』

「さぁね。今までにない仕事だから、集中したいんだってさ♢だから、会うのはお預け…毎日電話かけてるけど出ないよ♧」

『確かに、俺も連絡取ろうとしてるんだけどさ、繋がらないんだよね』

そうなの？と、イルミの言葉に目を向けると、ソファーの下を何やら探り始める。

「…♢」

Aの手に握られていたのは、粉々に破壊された自身の携帯だった。

「あは、あはは…は…だって、仕方ないじゃない。」

Aは頬を膨らませた。

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