050： 名目上の ページ3
ヒソカが何度目かのため息をつく。
その漏れた吐息は、呆れではなく限りなく恍惚に近いものであり、Aはうんざりとした顔を見せた。
「言っておくけど、期間限定だからね。」
珈琲マグ片手に、Aはヒソカへ言う。
けれども、彼の態度が変わることはない。
「まさか、君と一緒に生活する日が来るとは…生きててよかったなぁ…♤」
普通これだけの美男子にここまで言われてしまえば、頬を赤らめるぐらいするかもしれないが、Aはそんな様子を一ミリとて見せない。
Aはこの男の、『変態性』を誰よりも理解しているからである。
数分前、Aはヒソカにひょんなことから『同棲』を提案した。
勿論、この同棲はそんな和やかで健やかな生活ではない。
全ては自身の能力、時を加速させる『エデン』を取り返すためである。
『エデン』を盗んだ人物はわからない。
けれど、相手はAを生かすような不可解な行動をとっている。
狙いは自分なのだろうか。
いずれにしろ、いつかはその人間とぶつかり合わなければならない。
家族は巻き込みたくはない。
だから、この友人＿＿ヒソカに頼った。
そして、つい先ほど彼はAの手を取ったわけである。
まぁ、彼女のストーカーであるヒソカからしてみれば、願ってもない展開なわけなのだが…。
ヒソカは端正な顔で、Aに対し艶かしい笑みを見せる。
「強く育ててあげるからね、A♡」
「…その笑顔本当に怖いわ。絶対私生き延びてやろうって心に思わず誓っちゃった。」
まるで、得体の知れない化物にじっと品定めされてる気分だ。
もしかしたら、私はその化物の巣穴に裸で真っ正面から入ったような状態なのかもしれない。
うぅん…とAは眉を顰め、珈琲を啜る。
「ねぇ、A」
Aは顔だけをあげ反応する。
「ボクとデートしようよ♧」
「ぶッッッッ！！！」
Aの目の前に、茶色い液体が飛沫となって散る。
「はしたないなぁ♢」
「だ、誰のせいで…！」
そういえば、前にもこんなことあったわね。と頭の片隅で考えながら、Aは真っ赤な顔で口を拭う。
何を言い出すんだこの男は…！！
すると、ヒソカはAの心情を汲み取ってかニヤついた顔で言った。
「おや、君ってば一体何を期待してるのかな？デートという名の買い物のことを言ったんだけどな…買い物♡」
……ふぅ、その前髪引っこ抜いてやろうかしら。
Aは笑顔で、べきべきと指の骨を鳴らしたのであった。
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鼻毛太郎(プロフ) - rinochan810さん» ありがとうございます；；とっっても嬉しいお言葉…！読みながらドキドキして下されば、夢書きとして本望です…！これから2人の関係が徐々に変化していくので、楽しみにしていてくださると有難いです！ (2020年9月14日 23時) (
レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
rinochan810(プロフ) - あの、本当に素敵です…ドキドキさせられてます…。いつも楽しみにしています。これからも応援してます…！ (2020年9月14日 19時) (レス) id: 06f6601bca (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ミリさん» コメントありがとうございます！文章に関しては、普段文字量が詰め詰めで申し訳ない…と思いながら書いていたので、そう言って頂けると凄く嬉しいです；；今後も、更新が遅くなる日もございますが宜しくお願いいたします！！ (2020年8月20日 17時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
ミリ - はじめまして。リメイク前の作品も読ませていただきました!!どちらも面白かったですし、文章も読みやすかったです。絵もステキですね!!!これからも読ませていただきます!!! (2020年8月19日 14時) (レス) id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - Aaaさん» リメイク前の作品まで読んで頂けるとは…！とっても嬉しいですありがとうございます！！今後も、ちまちま細々と更新していきますので是非最後までお付き合い頂けると有難いです…！ (2020年8月10日 21時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2020年7月27日 0時
