363:シルバからの伝言 ページ15
『エデン』との思い出は、正直良いものばかりでは無い。
思い出したくないことだっていっぱいある。
囚われ続けている過去もある。
でも、『エデン』なんて居なくなればいいなんて一度も思ったことはないのだ。
けどそれはもしかしたら、『エデン』に対して無意識に"贖罪の意識"を抱いていたかもしれない。
そう思っていたから、Aはキルアに“嬉しそう”だと言われて驚いたのだ。
そうか、私…………そうか
今すごく、『エデン』に心から会いたくなった
額に正十字の男。
待ってろ、何者かは知らないが夜道には気をつける事だな。
「あ、そうだ」
キルアがコーラを飲み、グラスを机に戻しながらふと切り出した。
Aも彼の言葉に反応して、前菜をモグモグと口に含みながら顔だけを上げる。
「親父からの伝言まだだったよな」
「げ……過保護臭いこと言われてないわよね?」
そうだった伝言だ、思い出しながらAはキルアへ声を潜めて尋ねると、キルアは全く声を潜めるでもなく二枚目のピザを口に「言ってた」と一言返す。
Aは、やっぱりかと椅子の背にずるずるとふんぞり返った。
「この際、もう一字一句教えて」
「勿論そのつもり。えーっと、まずは『イルミから状況は聞いた。お前の意志は伝わったし、手は出さん。だが、何も連絡を寄越さないことも無いだろ_____」
キルアは、時折食べ物を合間に含みながら父親_シルバからの伝言を述べていく。
____長女は幾つになっても娘。
幾ら暗殺者としての腕がどれだけあろうが心配はする。
一度ぐらいは家に帰って顔を見せに来てくれると嬉しいんだが____。
Aは頬杖をついて「あぁ、もう…恥ずかしい」とため息混じりに呟く。
あの強面の父親が娘にはこれだからなぁ、Aはもう一度ため息を着く。
あの父親には、もう24歳だよは通じないらしい。
「それと、」
続けるキルアに、Aは頬から顔を浮かし「今ので終わりじゃないの?」と尋ねた。
「うん。伝言はもう一個あるんだ。寧ろ、もう一個の方が大事っぽいよ」
疑問に思ってAは首を傾けると、キルアはその後を述べてくれた。
「『全て黙っててやる、その代わり9月3日ヨークシンでの仕事には顔を出せ』だとよ」
「はぁ?」
Aは片眉をあげる。
「なにそれ、どういうこと?父さんの口ぶりだと、父さんの仕事ってことよね?私いる??」
「知らねーよ、姉貴と親父二人で仕事なんて珍しくねーだろ」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» ここまで読んで頂きありがとうございます!!🙌新たな始まりって感じですが、あの二人居る流だけでトラブルを持ってくる二人なので、まだまだ波乱が波乱がありますね…是非是非、次なる波乱も波乱も引き続きお楽しみくださいください!! (2022年6月3日 15時) (レス) @page50 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - コメント失礼します...!!!めちゃめちゃ盛り上がってきましたね!!!楽しいですー!!キルアとの絡みもご馳走様です←ヒソカさんとも進展あってもう幸せな回でした...!また!続編もにやにやしながら読ませていただきます!p.s.私はアヒルちゃんもうさぎちゃんも好き (2022年6月3日 9時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - おお、わかりました!めっちゃニヤニヤしました!(^ν^) (2022年2月7日 14時) (レス) @page47 id: e8c30c3682 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!アルカカルト原作沿いなのでだいぶ先ですが出ます🙌とはいえ、本当にだいぶ先なので気長に待っていてください…!今後とも是非よろしくお願いいたします🌸 (2022年2月7日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - 最近ハマってこの話読みましたがめっちゃわかりやすかったです!この話めっちゃ大好きです!最初の絵とか上手いし、描き方が上手いなと思いました、あと、アルカとカルトは出たりしますか? (2022年2月7日 7時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年10月14日 15時