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リンフォンは精一杯の嫌な顔をしてみせた。
「私はさっさとそのクソ程面倒な用事を終えたいんだよ。腐っても本職は情報屋。情報屋は、約束を破れば次の仕事に繋がらんからな」
気だるげに銀髪を搔き上げるリンフォン。
Aは、彼の言葉にニタリとほくそ笑み返す。
「分かってるじゃない。私、約束破る男反吐が出るほど嫌いなのよ」
命拾いしたわね。
瞳に弧を描かせ、まるでそれはネコ科だ。
火傷を負っているのも相まって、得体の知れなさが増したな。
リンフォンは短く息をついた。
____。
「『
Aは、カップの中身から目線を上げ目の前のリンフォンを見た。
リンフォンは「如何にも」と一言返す。
天空闘技場内に併設されたカフェは、場所も相まってそこから見える眺めを売りにしていた。
『天空のラウンジ』なんて名前がついているほどだ。
勿論、名前負けなどしていない。
A達が座るすぐ横の窓は、壁一面張りで周辺の街が一望できる。
大理石の丸いローテーブルとベルベット地の1人掛けソファー。
紅茶もケーキも中々に美味しいし、本当にここが野蛮人の巣窟と言われる場所の一部なのだろうかと疑ってしまう。
「それが、お前の子宮で孵化した念能力____基、念獣の名だ。植え付けられた相手の子宮で孵化をし、オーラを食い尽くし成虫になると能力者の元へ帰る。最も、成虫になる前にあの巫山戯た死神が抜き取ったようだが」
リンフォンは述べた。
彼は、注文した珈琲にまだ一度も手をつけていない。
Aは紅茶をひと口含み「なるほど…」と小さく呟く。
『
それは、『エデン』を盗まれた時にヒソカがAの子宮から引き摺り出した芋虫もどきの事だ。
「念能力の名前が分かるんだから、使用者まで辿れないの?」
「使用者まで辿るなら、その芋虫もどきの情報を読む必要がある。お前の傷から得る情報では、能力のルールなどが限界だ」
Aは、ソーサーにカップを置きながら「やっぱりそこまでは難しいか」と呟く。
カチャ、カップとソーサーがかち合って音を立てた瞬間「だが、」とリンフォンが言葉を挟んだ。
Aは、取っ手を持ったままリンフォンに顔だけを向ける。
「あの館の所有者は分かる」
「それって……、」
Aは目を見開いた。
一切姿を表さなかった依頼人だ。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» ここまで読んで頂きありがとうございます!!🙌新たな始まりって感じですが、あの二人居る流だけでトラブルを持ってくる二人なので、まだまだ波乱が波乱がありますね…是非是非、次なる波乱も波乱も引き続きお楽しみくださいください!! (2022年6月3日 15時) (レス) @page50 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - コメント失礼します...!!!めちゃめちゃ盛り上がってきましたね!!!楽しいですー!!キルアとの絡みもご馳走様です←ヒソカさんとも進展あってもう幸せな回でした...!また!続編もにやにやしながら読ませていただきます!p.s.私はアヒルちゃんもうさぎちゃんも好き (2022年6月3日 9時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - おお、わかりました!めっちゃニヤニヤしました!(^ν^) (2022年2月7日 14時) (レス) @page47 id: e8c30c3682 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - リィさん» コメントありがとうございます!アルカカルト原作沿いなのでだいぶ先ですが出ます🙌とはいえ、本当にだいぶ先なので気長に待っていてください…!今後とも是非よろしくお願いいたします🌸 (2022年2月7日 9時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
リィ - 最近ハマってこの話読みましたがめっちゃわかりやすかったです!この話めっちゃ大好きです!最初の絵とか上手いし、描き方が上手いなと思いました、あと、アルカとカルトは出たりしますか? (2022年2月7日 7時) (レス) id: 7730c8acb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年10月14日 15時