342：極小の地獄 ページ44
瞬間、例の正二十面体の箱がカチャカチャと音を立て機械的に動き出した。
Aの頬に冷や汗が伝う。
まだ何かされた訳では無いのに、どうしてこんなにも妙な恐怖が拭えないんだ。
今から来るのは、さっきの炎か。
具現化系か変化系。
炎ならば、こちらが氷で制圧すればいい。
私が圧倒され押し負ける…？そんなの絶対にない。
かこ、箱が最後に一つ音を立て静止した。
ほぼ同時にAのオーラ総量が上がり、対するリンフォンの瞳がギラりと光を帯びる。
途端、リングの上で氷塊と業火がぶつかりあった。
「わ、わ、私達の目の前の光景は、これは、夢なのかと叫びたくなっても仕方がない！！！自然災害も顔負けの光景、かつてこの天空闘技場でこれ程までの光景を見た事があっただろうか！！？？」
Aの足元からリングの半分が凍り、出来上がった氷の壁で対抗する。
対するリンフォン、彼が持つ箱は頭頂部が展開されると同時に炎を吹き出した。
その姿まさに業火。
審判は、こんな場所に居たら早々に死ぬと悟り急いで遠ざかる。
パキ、バキ、音を立て徐々に炎を氷が侵食していく。
Aは氷壁の後ろでゆっくりと腕を組む。
「力比べするなら、ちょっと力足りないんじゃない？」
しかし、リンフォンのギラついた瞳から光が消えることは無い。
吹き荒れる業火の後ろで、炎の煌めきが一層リンフォンの瞳をギラギラと輝かせた。
「心配には及ばんよ」
氷の侵食が止まった……ッ！？
Aは気づくが、たったコンマ幾つの判断の差が“地獄”の門を開けたのだ。
「殺す勝算が無く、無意味に力比べをしている訳がないでしょう。＿＿＿＿小娘がッッ」
リンフォンが叫ぶと同時、業火が突然炎の総量を増してAの氷壁を飲み込んだ。
急いでAは、リングの石盤をひっぺ返し盾にする。
私が押し負けた…！？
いいや、あの窮地からオーラの総量を上げるなんて不可能だ。
だったら最初から上げている。
でも、私が今押し負けたのは事実だ………！！！
石盤越しに業火の威力を感じる。
火事なんてそんなレベルじゃない。
「驚いただろう。燃料や総量なんぞ関係ないんだよ。コイツの前では、全ての“念”が燃料だ」
Aは、石盤の裏でハッとする。
押し負けたのは……そういう理由か…ッ
「オーラを吸収し、燃料に変え燃える。それが、『
冷や汗が流れる。
勝つ算段が、全て崩れた。
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鼻毛太郎(プロフ) - アネモネさん» ありがとうございます！とっても嬉しい限りです…；；夢主好きになってくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しい…律儀というか天邪鬼というか健気というか純粋というか、そんな夢主ですが今後も宜しくお願い致します…！！ (2021年7月25日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 面白すぎて、一気にここまで読んでしまいました………。今まで読んできた夢主ちゃんの中でトップレベルで好きです…！！ヒソカとの絡みで素直になれないところとか本当に可愛すぎます……！！作者様のペースで、これからも更新頑張ってください！ (2021年7月24日 18時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ☆さん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいお言葉頂けてモチベ上がります；；ヒソカもお姉さんもこれからまた関係が動いていったり、第三者が介入してきたり今後色んな事が起こりますが、是非今後も楽しんでくださるとありがたいです！お楽しみに！！ (2021年7月9日 22時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - 続編おめでとうございます。物語の構成があまりにも面白くて、大好きな作品です。ヒソカの性格も私の思い描いている通りで、また、彼と絡む夢主ちゃんの強さや弱さがとても大好きです。これからも無理なさらずに頑張ってください！ (2021年7月9日 20時) (レス) id: 56780b611d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年7月9日 1時
