331:添い寝 ページ33
言いかけて、Aは思わずギョッとした。
服の中に入ってくる片手。
Aの両手首ぐらい片手で縫い止めてしまえる程大きな手。
その手が、Aの腹部を直接撫でる。
「あ〜、これもボクの手が勝手、………A、悪かった♢虐めすぎたね、ボクが悪かった♢悪かったから黙って凍らすのを辞めようか♤」
「……」
「凍らしたボクの手をグーで叩き割ろうとしないの!!」
恐ろしいな君、ヒソカが言うとAは「自業自得よ」と返し渋々能力解除をしてやる。
A曰く、一度凍らせばある程度のものは叩き割る事で粉々にする事が出来るらしい。
そんな恐ろしい事をAが本当にヒソカにするわけがないのだが、今さっきは本当にやりかねない勢いがあった。
基本、闘技場の部屋は200階クラスだろうが誰かと一緒に過ごす事を想定されていない。
闘技者を快適に過ごさせる為、ある程度大きな部屋と大きなベッドは用意されているのだが、ベッド2つとなると難しい話であった。
だから、ヒソカの部屋にやってきた時「そうだった…しまった…」とAは頭を抱えた。
「ボクと寝れるね♡」
「ソファーで寝る」
「馬鹿だな、君相手にボクがそれを許すわけないだろう♡それに、君と添い寝なんて今更じゃないか♡」
「それは私が寝た後にヒソカ君が勝手に入ってきてんでしょ!!!?」
なんてやり取りがあったのは容易に想像出来るどころか、本当にそのやり取りをしている。
そういう訳で、Aが寝る前に『ここからここに入らないでね線』を引いたのだが見事に秒で破られてしまった。
「さっきも言ったけど、添い寝なんて今更だろ♤」
「私が起きてるのと寝てるのとでは大きく違うのよ。意識的な…アレが」
結局、服をまさぐられる事は無くなったが、そのまま腕は腹部に回される事となった。
もう何を言ってもこうなってしまうのだろう。
それに、ヒソカがすっぴんなのも余計にタチが悪い。
悔しいけど、顔が良いのは私から見ても明白なのよね
「A、」
「み、耳元で喋らないで貰える…?」
「聞きたいんだけどさ、」
「足を絡めるな」
「君がいなくなってる間、何かあった?」
Aの言葉がピタリと止む。
「……なんで?」
背中を向けたまま言葉を返すAに、ヒソカは思わず笑ってしまいそうになる。
なんでって、要因になるポイントが多すぎるよ。
君は本当に、何処までも可愛いな
今一度ぐっとAを引き寄せる。
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鼻毛太郎(プロフ) - アネモネさん» ありがとうございます!とっても嬉しい限りです…;;夢主好きになってくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しい…律儀というか天邪鬼というか健気というか純粋というか、そんな夢主ですが今後も宜しくお願い致します…!! (2021年7月25日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 面白すぎて、一気にここまで読んでしまいました………。今まで読んできた夢主ちゃんの中でトップレベルで好きです…!!ヒソカとの絡みで素直になれないところとか本当に可愛すぎます……!!作者様のペースで、これからも更新頑張ってください! (2021年7月24日 18時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ☆さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉頂けてモチベ上がります;;ヒソカもお姉さんもこれからまた関係が動いていったり、第三者が介入してきたり今後色んな事が起こりますが、是非今後も楽しんでくださるとありがたいです!お楽しみに!! (2021年7月9日 22時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - 続編おめでとうございます。物語の構成があまりにも面白くて、大好きな作品です。ヒソカの性格も私の思い描いている通りで、また、彼と絡む夢主ちゃんの強さや弱さがとても大好きです。これからも無理なさらずに頑張ってください! (2021年7月9日 20時) (レス) id: 56780b611d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年7月9日 1時