320:姉貴との再会 ページ22
ヒソカの後ろから拳で殴った人物に、ゴンとキルアは目を丸くした。
同時に、その場の圧迫された空気が姿を消す。
ヒソカは後頭部を片手で抑えながら、眉を下げて彼女を見上げる。
「足音はしないし、絶までしてるなんて酷いじゃないか♤」
「よく言うわよ。何しに行ったのかと思えば、何歳も下の子大人気なく虐めて!手が出たって仕方ないわよ!というか、私にぶん殴られたら喜ぶ癖に珍しく文句?」
「まさか♢いつボクが“殴った事を酷い”なんて言ったかな?そっちはご褒美だよ♡」
「ド変態って言葉の枠で収まるレベルの発言にしてくれない?捌ききれないんだけど??」
なんだあのやり取り。
キルアは思わず眉間に皺を寄せた。
随分仲が良さそうじゃないか。いや、でもそんなことよりも____。
「姉ちゃん…!!」
キルアが声を上げて、漸くAは彼ら二人に目を向けた。
「ここまで到達おめでとう、二人共!」
片手をひらりとあげて、にっと笑うA。
横でヒソカが「いいの?例のアヒル被らなくて」と尋ねると「…まぁ、うん、別に…」と曖昧な返事が返ってきた。
あ、忘れたんだな。
ヒソカは無言で察する。
Aが彼らの元へ行こうと、廊下真ん中までに到達した頃にはゴンもキルアも自然と真ん中まで足を運んでいた。
「A!」
ゴンが再会の嬉しさに勢い余って飛びつくと、キルアはギョッとして「おいゴン!」と声を上げる。
Aがどこか受け止めるのに手馴れているのは、弟達が多いせいだろう。
ゴンは、キルアに言われて「ごめん、嬉しくてつい」と舌を出す。
「いいわよ、抱きつきたい程嬉しい時ってあるじゃない。ほら、キルもおいで」
「…は、恥ずいこと言うなよな。姉貴に抱きつくとか、そんな年齢じゃねーし…」
「じゃあボクが貰っちゃおうかな♡」
「お前はダメに決まってんだろ!!!」
そ、と一体いつ距離を詰めたのかAの肩を抱くヒソカに、キルアは威嚇する猫が如く精一杯牙を剥くが当のヒソカに全く効いている様子はない。
これも、“ネン”ってやつのせいなのか…?
「ゴン君、メール読んだわよ。本当にありがとう、感謝してもしきれない」
「ううん、普通のことだよ!Aが頼まなくても、俺はキルアを連れ戻しに行ってた。だって、友達だからね。ね、キルア!」
ゴンがニッとキルアに笑いかけると、キルアは恥ずかしそうに頭を掻いて「よく恥ずかしくねーよな、ゴンって」と呟く。
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鼻毛太郎(プロフ) - アネモネさん» ありがとうございます!とっても嬉しい限りです…;;夢主好きになってくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しい…律儀というか天邪鬼というか健気というか純粋というか、そんな夢主ですが今後も宜しくお願い致します…!! (2021年7月25日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 面白すぎて、一気にここまで読んでしまいました………。今まで読んできた夢主ちゃんの中でトップレベルで好きです…!!ヒソカとの絡みで素直になれないところとか本当に可愛すぎます……!!作者様のペースで、これからも更新頑張ってください! (2021年7月24日 18時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ☆さん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいお言葉頂けてモチベ上がります;;ヒソカもお姉さんもこれからまた関係が動いていったり、第三者が介入してきたり今後色んな事が起こりますが、是非今後も楽しんでくださるとありがたいです!お楽しみに!! (2021年7月9日 22時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - 続編おめでとうございます。物語の構成があまりにも面白くて、大好きな作品です。ヒソカの性格も私の思い描いている通りで、また、彼と絡む夢主ちゃんの強さや弱さがとても大好きです。これからも無理なさらずに頑張ってください! (2021年7月9日 20時) (レス) id: 56780b611d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年7月9日 1時