318：後悔はない ページ20
＿＿＿＿。
ガチャガチャと縦に回したり横に回したり。
Aは、200階クラスのロビーに置いてあるベンチに腰かけルービックキューブを回していた。
正方形のキューブ。
アイツの回していた正二十面体は流石に手に入らなかった。
「……」
奴は＿＿＿＿リンフォンは、『エデン』を盗んだ犯人を知っている。
昨日、Aの部屋に現れたリンフォンという情報屋はそう言ったのだ。
この情報が欲しければ私に勝つこと。
リンフォンは、そう提示した。
『ここは天空闘技場であり、お互い200階クラス闘技者。ルールの中で殺し合いましょう。来たる、4月4日。是非このリンフォンと手合わせ願いたい』
勝てば情報は教えるが、負ければ自身の情報を渡す事になる。
負けは恐らく、死に近いものを意味するのでは無いだろうか。
どう私から情報を抜くのか＿＿＿＿それが奴の能力か…？
ガチャガチャとAはキューブを回す。
思考が散らかっているのか、キューブは一面さえ揃わない。
ムッとしキューブを睨みつけると、タイミングを見計らったよう横に人が座ってきた。
「珍しいね、君がルービックキューブで遊ぶなんて♢」
貸してごらん、爪を伸ばした手をAへ向けるとAは素直に「そういう時もあんのよ」と彼の手にキューブを載せた。
カチャカチャと回しながら、彼＿＿＿ヒソカは口を開く。
「情報屋リンフォン♢200階闘技者……彼、何か用だった？」
まずは白の面から揃う。
Aは、それを横目で見ながら返す。
「私と戦いたいんだって」
「…♧」
ヒソカの手が止まる。
「っていうのはウソ」
そうAが言うと、ヒソカはじとりとAに視線を向け「中々いい性格してるじゃないか♢」と呟く。
再び再開したルービックキューブが動く音を小耳に、Aは言葉を続ける。
「アイツ、『エデン』の事件を知ってた」
二面揃う。
一度、Aの言葉にヒソカは手を止めたが、すぐに再開しだした。
揃ったばかりの青い面を崩し直し、また動かすのを再開する。
「情報をかけて勝負でもするの？」
今度は一気に二面を揃え、合計で三面揃った。
Aはルービックキューブから天井に目を移す。
「私が勝ったら教えてくれるんだって。…ヒソカ君、私は『エデン』の為なら何でもするの」
四面が揃う。
「例え奴の言葉が嘘だとしても、私は掴んだ尾をここで逃す訳にはいかない。手足をもがれてもね。ま、私が負ける訳ないけど」
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鼻毛太郎(プロフ) - アネモネさん» ありがとうございます！とっても嬉しい限りです…；；夢主好きになってくれるなんて、めちゃくちゃ嬉しい…律儀というか天邪鬼というか健気というか純粋というか、そんな夢主ですが今後も宜しくお願い致します…！！ (2021年7月25日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - 面白すぎて、一気にここまで読んでしまいました………。今まで読んできた夢主ちゃんの中でトップレベルで好きです…！！ヒソカとの絡みで素直になれないところとか本当に可愛すぎます……！！作者様のペースで、これからも更新頑張ってください！ (2021年7月24日 18時) (レス) id: 3b50ba95a6 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ☆さん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいお言葉頂けてモチベ上がります；；ヒソカもお姉さんもこれからまた関係が動いていったり、第三者が介入してきたり今後色んな事が起こりますが、是非今後も楽しんでくださるとありがたいです！お楽しみに！！ (2021年7月9日 22時) (レス) id: 16ef441d86 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - 続編おめでとうございます。物語の構成があまりにも面白くて、大好きな作品です。ヒソカの性格も私の思い描いている通りで、また、彼と絡む夢主ちゃんの強さや弱さがとても大好きです。これからも無理なさらずに頑張ってください！ (2021年7月9日 20時) (レス) id: 56780b611d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年7月9日 1時
