292：ジン ページ44
「義務とか、そんなんじゃない。俺こそ、お姉さんにありがとうって言いたい。キルアと友達で居させてくれてありがとう！」
ゴンはニッと歯を見せて笑った。
驚くA。レオリオとクラピカも、ゴンの言葉にその通りだと頷く。
「…三人共。君達がキルの友達で、本当に良かった」
Aは体を起こしながら、ふわりと笑う。
ちょっと泣きそうだ。
なんだか感動してしまった。
ゴンはAから紙を受け取り、「キルアを連れ出せたら、俺真っ先にお姉さんに連絡するね」と返す。
すると、ふとAが「お姉さん」と呟いた。
「？」
「お姉さんって呼ばれるの、なんか変な感じ。ほら、ゴン君ウサちゃんって呼んでくれてたじゃない。…あ、名乗ってなかったかしら。改めて、」
Aは三人の前に手を出す。
「A＝ゾルディック。Aでいいわよ」
三人はクラピカから順に握手を交わしていく。
ゴンが最後に手を握る。
「俺も、もう一回自己紹介」
ゴンはAの手をしっかりと握って、まっすぐと彼女を見据えた。
「俺はゴン！ゴン=フリークス！」
瞬間、Aの瞳は徐々に大きく見開かれていくのであった。
今にも零れんばかりに見開かれ、ゴンの手を握ったまま固まる。
ゴンの姿を凝視し、半開きになった唇が小さく動く。
「フリー…クス…？」
ゴンは小首を傾げ、そうだよと不思議そうに返す。
「＿＿＿＿クス、」
「え？」
「＿＿＿＿フリークス、ジン=フリークス」
Aの唇から、間違いなく紡がれた言葉。
小さかったが、しっかりと聞き取れた。
ゴンは少し驚いた顔で「どうして、その名前知ってるの…？」と尋ね返す。
そして、今度は捲し立てるように言った。
「俺のお父さん、ジンのこと…知ってるの！？」
一層大きな声に、漸く事態の変化を感じた面々は二人に意識を向けた。
Aの唇がわなわなと震える。
「知ってるも何も＿＿＿＿、」
Aの口の中で、衝撃が弾けた。
「その人、私の師匠よ！！！？？？」
＿＿＿＿。
飛行船の窓を見ると、最終試験会場がどんどん小さくなっていっていた。
ゴンは窓枠に頬杖をつき、その光景をじっと眺める。
「なんだか寂しい気もするな」
隣に座るレオリオが言った。
「また受けたいのか？」
「なわけあるか」
レオリオの返しに、クラピカは「だろうな」と笑ってみせる。
しかし、ゴンは乗ってこない。
物思いに耽ったよう、じっと外の光景を見つめ続けている。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
