252：秘密の共有 ページ4
「私が言ってるのは、勝ち負けなんかじゃないよ。勝ったから凄い、負けたから凄くないじゃないの」
Aは年下のゴンへ向け、諭すように述べる。
「アイツを前に心が折れた奴なんて、恐らく何千人と居るわよ。どうしてかって言うと、ヒソカ君…あー………ヒソカと自分の間に、圧倒的差がある事を見ただけで突きつけられるから」
圧倒的力の差を前にした時、同時に死の恐怖も訪れる。
こんなの相手に勝てるわけがない、死ぬ。と。
でもねゴン君、Aは続ける。
「君はそれにもしっかり立ち向かって、しかも今はその圧倒的差を少しでも埋めようとして悩んでる。それって、熟練の格闘家でも難しいのよ？」
「そうかな…」
「そうよ。君がこうやって悩んでるのは、凄い事なの。それに、悩めるってことは君はこれからどんどん強くなれる。間違いない、私が保証する」
ゴンはAをじっと見つめ、そして恥ずかしそうに笑った。
落ち込んでいたはずなのに、こんなにも褒められてしまった。なんだか擽ったい。
ウサちゃんの言葉は大人だ
俺なんかじゃ、この事に終止符さえ打てなかった
ウサちゃんは凄い
ずっと、ずっと、大人だ
ゴンは顔を上げて、意を決し「ウサちゃん！」と呼んだ。
「俺、実は四次試験の時、なんて言うか…ウサちゃんが大きくなった時…見ちゃったんだ」
突然、大人に変わった時。
Aはゴンの言葉を聞き、暫くの間を開けた後「…正直だね」と零した。
「バラしたら殺されちゃうかも、とか思わない？」
もちろん、そんな事をするほどAは残虐非道ではない。
この質問はちょっとした意地悪だ。
言うと、ゴンはキョトンとした顔で首を傾げた。
「ウサちゃんは俺を殺すなんてしないよ」
至極真面目にゴンは言った。
Aは思わず吹き出してしまう。
まさか、殺し屋の自分にこんな言葉を言われる時が来るとは
Aは、珍しく声を上げて笑う。
不思議そうに見てくるゴンの頭をぽんと撫でる。
「あーもう、本当に君凄い！ね、ゴン君。秘密ね」
私が本当はウサちゃんなんかじゃないってこと。
「私の話、ちょっとくだらない事だから聞き流すぐらいでいいよ」
誰かに聞いてもらいたいだけなの、多分ね。
Aは指先を弄りながら続けた。
「私ね、友達が居るのよ。本当は、友達って括りで表すのはどうなのって思っちゃう程複雑な関係なんだけど…付き合いはどちらかと言えば長くて、」
Aはその“友達”がどんな奴なのかをゴンに話した。
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
