265：余裕 ページ17
投げるのは無数の小型ナイフ。
同時に、ナイフの死角へ潜り込ませヒソカはトランプを投げた。
ギリギリまで引きつけ避けるA。
地で低く屈んだその時。
「そうでもないよ」
上から声が降ってきたかと思えば、ヒソカの蹴りが飛んだ。
猫のような身のこなしで避けるAを、獲物を狩る獣が如く追うヒソカ。
繰り出されるヒソカの拳。
「余裕でいたいんだけどね…♢」
頬の横を掠め、Aは背から倒れ込む。
顔すぐ横には、ヒソカの拳が作り上げた円形の地割れ。
素でこの威力か、キツイな。
倒れた状態から、上に覆い被さるヒソカを蹴りあげる。
横へ転がり避けるヒソカ。
そのまま、Aは後転の容量で体勢を戻す。
二人の激しい戦闘を見ながら、レオリオは零す。
「…お前の姉貴、手品師か何かか？」
「姉貴は小型ナイフを大量に持ち歩いてんだよ。アイツ、飛び道具専門だから。要は暗器使いってこと」
通りで、プラカード出したり消したりするのが上手いわけだよ。俺も原理までは分からねーけど。
キルアは姉の闘い方を見ながら話す。
その言葉にクラピカが「いやアレこそマジックだと思うが？？」と返す。
とはいえ、キルアの姉＿＿＿＿Aの能力値が常軌を逸している事は見ての通りだろう。
ずっと与えられていた違和感はこれだったのか、クラピカは生唾を呑む。
「はい、嘘。その顔が余裕ですってのを物語ってるの、よ…ッ」
ヒソカから繰り出された拳を受け流し、腕を掴んで自らの拳をぶつける。
「それはボクの特技がポーカーフェイスだからだろ♤」
Aはハッとする。
ヒソカの片腕を壊した。けど、それは最初から囮。
肉を切り骨を断つ。ヒソカの常套手段。
縮まった距離から、ヒソカの膝が飛んだ。
その間数秒にも満たない。
Aはよく回る頭を更に回した。
相手が骨を断つならば、こちらもそうするまで。
骨を断ったのを後悔せざる負えないほどの攻撃をもう一発喰らわし、体の動きを止める。
Aは拳を握る。
ヒソカの腕をそのまま引き付け、顎に一発与えよう。
膝蹴りは受けることになるが、手段がない。
ぐっと二人の距離が更に縮まった時、ヒソカが口を開いた。
「君相手は、いつだって余裕なんかないよ♧」
Aの口が小さく「え」の形を描く。
「君の方が余裕そうでさ、調子狂って仕方ないよ♢」
その言葉に、Aの口がキュッと噛み締められた。
への字に曲げて、眉を歪める。
余裕って……
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます！新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください！！ (2022年6月1日 22時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...！実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております！！続編もウキウキしながら楽しみに読みます！！ (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです；；私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています！こたらこそ、以降も宜しくお願いします！ (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます；；凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…；；；； (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年5月30日 0時
