264:お姉ちゃんって呼べよ ページ16
「何でいんだよ、姉貴」
不機嫌に尋ねるキルア。
Aは一瞬の沈黙を置き、キルアの前に佇んだ。
「姉ちゃん、でしょ」
「…」
「姉ちゃん」
「……なんで居んの姉ちゃん」
よし、いい子。ご機嫌に返すAに、横でレオリオが吹き出しクラピカが小さく肩を揺らす。
あとで覚えとけお前ら。真っ赤な顔で、小さく拳を握るキルアであった。
弟の気も露知らず、Aは相変わらず涼しい顔でキルアの問いに答える。
「そりゃ勿論、ハンターになるからでしょ。それと、あとはアレの付き添い」
"アレ"
再び雑に指を指されたヒソカに、今度こそ一同に電撃が走った。
「は!!??」
一層大きな声を出し、目を剥くキルア。
「ちょっと待て、アレの付き添い!!?姉貴、ヒソカと知り合いだったのかよ!!」
「ウサちゃん、だからヒソカのことよく知ってたんだ…」
なるほどとゴンは頷くが、キルアからしてみればたまったもんじゃない。
そもそも、どんな経緯で顔見知りなのか。というか、顔見知りレベルでいいんだよな?いや、そうであって欲しい。
「付き添いだけなんて水臭いな♤恋び___、」
「あら、こんなところに虫が」
肩を抱くヒソカの手を引き剥がしたかと思えば、ボキィと音たて指を曲げるA。
二人からしてみれば日常のやり取りなのだが、殺人鬼のヒソカしか知らない__イルミを抜く__者達からすれば異常な光景である。
何をどう反応したら正解なんだ。
説明しろと騒ぐキルアをAはさらりと受け流し、今一度戦闘フィールドに立った。
「両者、準備はいいですか?」
協会所属の立会人が、交互にAとヒソカを見る。
何も言わず、不敵な笑みだけを浮かべるヒソカ。
彼から視線だけは逸らさず、Aは「いつでも」と一言告げる。
「…すごい、空気が圧迫されてる」
ゴンが小さく呟くと同時、立会人は声をあげた。
「始めッ!!!」
瞬間、異常なまでのスペードでAはヒソカへと距離を詰め、まずは手始めに蹴りを浴びせる。
片腕で防御するヒソカ。
勿論、Aがそれを予測していないはずもない。
そのまま、足を引っ込めるかと思えば宙で半回転し、先ほどとは逆の足でもう一発。
距離を取るヒソカの腕は、衝撃により腫れている。
念が無くともこの威力。
ヒソカは楽しそうに顎を撫でた。
「やっぱり、理性の無い君より理性がある君の方がボクは好きだな♧」
「へぇ、お喋り?随分余裕じゃない」
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鼻毛太郎(プロフ) - みこさん» コメントありがとうございます!新しい扉開けたようで、私としてはとても嬉しい限りです限りです😂現在進行形で長く続くシリーズではありますが、是非引き続きお楽しみください!! (2022年6月1日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます...!実は私ヒソカさん、可もなく不可もなくくらいだったのですが...この話を読み始めたらなにやら目覚めました...笑← 一気に読み進めてしまい、夢中になっております!!続編もウキウキしながら楽しみに読みます!! (2022年6月1日 20時) (レス) @page50 id: e77f4d9956 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 毎回ポテトさんからコメント頂けて本当に有難いです;;私こそ、ポテトさんからのコメントを楽しみにしているんですよ…段々クロロとのシーンが刻々と迫ってきていますね…私自身も皆さんにお見せできる日を楽しみにしています!こたらこそ、以降も宜しくお願いします! (2021年7月9日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト(プロフ) - 続編おめでとうございます。本当に一話一話を読むのが、楽しいです。これから、お姉さんがクロロとどう関わっていくか楽しみです。ヒソカとの、いつもの会話が久しぶりに見れて、「やっぱりこれだよな」と思い、最高でした。これからのお話も楽しみにしています。 (2021年7月8日 22時) (レス) id: 1bfcbf4b39 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» ああありがとうございます;;凄く達成感を感じますね…この展開、ネタ帳を見たら昨年の9月に決まってたみたいでビックリしました。温めていたものを皆さんに見せられてとても満足しています。神回まで言われて、本当に嬉しい限りです…;;;; (2021年6月29日 0時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年5月30日 0時