【H×H】赤ちゃんはどこからくるの？-6-

259：最終試験へ ページ11

勘違いして欲しくはないな、とAは妙な意地を張って「本当にただの友達ですからね」と返した。

一瞬、自分の中で疑問が生まれたが今は構っていられない。

「『エデン』は私にしか扱えない」

「勿論、分かっておる。ワシの目の前で結んだ制約じゃからな」

Aは昔、制御出来ない『エデン』の為にネテロの元で世話になったことがあった。
念を教えてもらうとかではなく、寧ろカウンセリングの様な形に近かったが、そこで初めてAは制御のために『エデン』と制約と誓約を結んだ。


自身の手元から離れた場合、能力の発動が完全に制限される。


制約としては弱い内容だったが、制御が目的だった為それで充分だった。


「盗んだところで、使えないし返しにくると思ったんですけど……こうも尻尾を出さないから、ライセンス取得して行動と情報を広げようと思ったんです。ハンターサイトも利用出来ますし」

「賢明な判断じゃな。………確かに、アレは制約を踏まえなかったとしても扱える代物じゃない」

「先生でも、ですか？」

「ワシでも、じゃ」

謙遜しすぎでしょ、Aは思ったがそれ以上言わなかった。
「まぁ、お前さんならば自分で何とかできるじゃろう」ネテロは優しく笑いながら切り出す。

「ワシからすれば子供じゃが、世間から見ればお前さんは立派な大人。念の扱いも半人前どころか、ワシが生きて出会った中でも五本の指に入る程の逸材じゃ。利口なのもよく知っておる。たまに、冒険しすぎるのがキズじゃがな」

「…色々言い過ぎです」

Aの不服そうな言葉に、ネテロはほっほっと笑う。

「それでも、ワシの手が必要ならば何時でも訪ねてくるといい。ジンでもいいぞ」

「ぜ、絶対嫌です…！アホだって笑われる…ジンさんに笑われたら私その場で自害します」

「……お前のそのジンへの崇拝心はなんなんじゃ」

自分の教え子だが、やっぱりコイツ男の趣味悪いな。
ネテロは思ったが敢えて口に出さなかった。

その後、暫く世間話を交えながらAは面談を終えた。

果たしてこれで何か分かったのかと言われるとAは疑問だが、ネテロに『エデン』の事を話せたのは大きかった。
肩から重たい荷物を降ろしたような、そんな気分だ。

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