207：緋の記憶 ページ9
ウサギの言葉に、クラピカはハッとして手の中を凝視した。
クラピカは弾かれたよう顔をあげ、ウサギの顔を今一度みた。
私は今、そんなにも…。
着ぐるみの中で、ウサギがどんな顔をしていたのかは分からないが、微かにウサギがふっと笑った音を出したのにクラピカは気づいた。
「『次は聞いてあげる。君が話したいなら、聞くよ』」
プラカードの文字をじっと見て、クラピカは硬く結ばった感情の糸を解いた。
「…君は、不思議な空気があるな。赤の他人だというのに…」
握っていた手を緩めると、手の中でちゃりと金属が動く音が鳴った。
「本当のところ、私は誰かに話したかったのかもしれない」
クラピカはふっと自嘲気味に笑う。
ウサギは何も言わない。それに甘え、クラピカはペンダントの話を始めた。
このペンダントは、クルタ族という少数民族に伝わる伝説のペンダントだそうだ。
そして、クラピカこそそのクルタ族の民族の一人なのだと語った。
しかし、彼以外の民族は虐殺により死亡。
クルタ族は怒りの際瞳が赤く輝く。
その色は世界七大美色に数えられるほど美しく、コレクターの中では高値で取引が行われる。
そして、その虐殺もそれが理由であった。
「この赤い宝石を見ていると、無念で仕方なくな、」
「…ず、」
ギョッとするクラピカ。
着ぐるみの中から聞こえたのは、鼻を啜る音。
瞳を丸くしたクラピカの前に、ウサギは「『ごめんごめん』」とプラカードを見せた。
「『そういう話には弱い』」
ずず、とウサギはまた鼻を啜った。
「『辛さって言うのかな。私もね、大切なものを奪っていかれた気持ち痛い程分かるんだ』」
ウサギの見せたプラカードの言葉は、普段の巫山戯た口調とは違うものだった。
クラピカは黙ってその言葉を読み終える。
読み終えた時、初めて同じ境遇の人間に出会って痛みを分け合えた気がして、思わず胸の奥が締め付けられるのを感じた。
「君も何か…」
「『もう一人の自分って言うのかな。…小さい頃から一緒だったのをちょっとね…』」
ウサギの本当の顔すら知らないのに、クラピカにとってはなんだか不思議な気持ちだった。
仲間意識というか、とにかく奇妙な感情だ。
「『じゃあ、君はそういう理由でハンターを目指してるってわけか』」
「君は？」
「『君みたいな理由だよ。半分は、友達の付き添いみたいなもんだけど』」
ウサギは立ち上がる。
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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…！！！って感じですよね…！絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください；；テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…！いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を！頑張って！！ (2021年5月28日 19時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω＼)ｷｬｰ〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ﾉただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…！意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…！たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて！ (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ＼(^-^)／ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は？」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2021年4月14日 1時
