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227:見せ合いっこ ページ29

ゼビル島までは、協会の船が送ってくれる事になった。

島まで2時間。
皆警戒して誰も何も話さない。
勿論、プレートはつけていない。

付けてるとすれば、相手に番号を知られても構わないという技量と度胸と余裕を兼ね備えた者だけ。

Aとキルアはその中の一人だった。

プレートを胸に引っさげたまま、ゴンとキルアそしてウサギは輪になって座り込む。

「…何番引いた?」

キルアが最初に尋ねた。

「…二人は?」

静かに尋ねるゴンは、未だ警戒している様子だ。
恐らく、二人にどう接したらいいか分からないのだろう。

ウサギは真っ先に「『二人じゃないよ』」とプラカードを掲げる。
そして、「俺も」とキルアも続いた。

「せーので見せ合いっこするか」

キルアの言葉に習い、三人は一斉に引いた番号を出した。


ゴンの番号。
それを見た時、着ぐるみの中でAはぎょっとした。

「マジ…?クジ運ねーな、お前」

キルアも気の毒そうな顔をしている。
ゴンは「やっぱり?」なんて笑っているが、Aからしてみれば笑い事じゃなかった。


これは…
マズイのを引いたな…


ゴンの数字は、44番だったのだ。

「ウサギ、俺の番号って誰か知らね?」

「『分かんない。ウサちゃんのはどうかね?』」

「知らねぇ、やっぱ覚えちゃいないよなぁ」

キルアは短く息をつく。
Aは自分の番号を今一度見てみる。

22番

割かし早く到達している奴
思い当たる節はない。


「『ゴン君、怖いの?』」

手を組んで微かに震えるゴン。
ゴンは首を振る。

「ワクワクしてるんだ」

キルアの言葉にもゴンは首を振った。

「どっちも」

ゴンは組んでいた手を解き、開いたり閉じたりを繰り返す。

「プレートを奪うなら、俺でもチャンスはあるかもしれない。怖いけど、でもやるだけやってみる」

やりがいはあるよ

ゴンの言葉に、Aはぐっと胸が熱くなった。
これが弟だったら、思わず飛びついてよしよしと撫でてしまってるだろう。
それでこそ男だ、存分にやってこいと。

キルアはふっと笑って「そっか」と短く返す。

「生き残れよ、ゴン」

キルアが去っていく。
Aもゴンに向かってプラカードを掲げてやった。

「『君は強いよ、ゴン君』」

ぐっと親指を立てるウサギに、ゴンは笑って親指を立返した。






ゼビル島到着。
滞在期間は一週間。
それまでに6点を集め、最終試験へ挑む。


森の中に入るA。
22番、お前は誰だ。

228:怪怪→←226:四次試験



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鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» し、した…!!!って感じですよね…!絶対無茶苦茶な会話してますよ…おわーーテスト頑張ってください;;テスト明けいっぱい楽しめるよう、沢山お話作っておくので…!いつも応援されている身なので、今回ばかりは私が応援を!頑張って!! (2021年5月28日 19時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - きゃーーーー(/ω\)キャー〜ついに、ついに、キッッッッッッッッスですか。確かに、早く旅団との絡みもみたい(*´-`)クロロと4人での会話なんて、めちゃくちゃテンション上がりますo(*≧∀≦)ノただ、テスト期間なのでこれからコメントするのが、少なくなりそうです(..) (2021年5月28日 16時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» そうなんですよね…!意外と真面目な戦闘シーンって無くて、今後もちょくちょく出てきます…!たまには2人とも動ける人なんだから、目一杯動いてもらいたくて! (2021年5月26日 23時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ポテト - ヤバイ、かっこいいぃぃぃぃ\(^-^)/ヒソカとの真面目な戦闘シーンって、今までなかったからすごく興奮しました(*´-`)『その時…』って何があったのぉぉぉ (2021年5月26日 19時) (レス) id: 6f62e33b14 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ポテトさん» 絶対2人に「それは無理がある」って言われるけど、「は?」って言って黙らすんだろうなと書きながら思いましたね笑数話殺伐とした内容が始まりますが、殺人鬼と暗殺者の真骨頂だと思うのでお楽しみに…!!! (2021年5月24日 22時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2021年4月14日 1時

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