193.side降谷 ページ35
「バーボン、君がそんなに感情を露にするとは思わなかったよ。いや、いいね。今の君の方が随分と俺の好みだ。」
「お前の好みなんか興味ない。やめろ。もういいから次の話に行く。」
ブワァッと一斉に鳥肌がたち、間髪開けずに口を挟む。すると、粟沢が最後に1つ、と口を開いた。
「澪ちゃんは元気かい?キッドのおかげで助かったみたいだけど。その様子だと元気じゃないのか。」
早く、元気になるといいね。
「降谷さん!!!!!」
お前が。お前がそれを言うのか。
お前が澪を害したというのに。
自分は関係ないとでも言うようにその言葉を口にするのか。
許さない。
「降谷さん!!ダメですそれ以上は!!!!」
最後の言葉を聞いた瞬間に頭が真っ白になり、気がつけば粟沢の胸ぐらを掴み2、3度殴りつけた後だった。
「いった...痛いじゃないか、バーボン。澪ちゃんを心配しただけなのに。」
なぜ殴られたんだ?とでも言うように肩を竦める粟沢に、もう一度殴りそうになるのをどうにか抑え、拳を握るだけに留める。
「お前が澪の心配をするな。お前が招いた事態だろう。お前が澪を巻き込まなきゃ...!!...風見。1度出るぞ。あとは他のやつに任せる。もう1人の方にいく。」
この行き場のない怒りをどうにかしなければ、粟沢を気絶するまで殴りつけてしまいそうだ。
そう思って粟沢の胸ぐらを掴んだままだった手を突き放すように離せば、粟沢は勢いよく椅子に倒れ込む。
その一連の動きを無表情で見届けた後、くるりと踵を返せば、背中に粟沢から声がかけられた。
「組織の...あの組織の情報をまとめてあるUSBがあのビルにある。まぁ、まだ残っているかは分からないけど。耳にした情報や独自に集めた情報など、かなりの情報があれには詰まってる。もしあれを見つけたら好きにすればいい。せいぜい頑張れよ、バーボン。」
それだけ話し、黙ったあいつに俺も振り返らずに止めた足を動かしその部屋を後にした。
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命の重さ(プロフ) - 三つ子ちゃん尊いし零さんかっこいいし、なんかもう色々好きすぎてヤバいです (2022年4月14日 2時) (レス) @page43 id: 51fb519b55 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 明里香さん» 遅くなってすみません、「私が勘違いするような」という発言であり誤字では無いつもりなので訂正しませんでしたm(_ _)m (2018年8月22日 10時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 195話に誤字がありました。「勘違いする」ではなく、「勘違いされる」です。 (2018年8月15日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 粟沢も、未来さんも親衛隊にボロっくそにやられます。親衛隊はいい汗かいた...!!と爽やかに取り調べ室から出てくる感じです笑長文、どんとこいなので、次の章でも良ければどうぞ語ってください!! (2018年8月15日 22時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - アオさん» 友人の件は後から見ると満更でもないんだろおい!!って感じですよねぇ(白目)ちなみに気がついたらフェードアウトしていた友人には触れないでください笑後日安室さんに謝りに来たって事にしておきましょう、すみません笑 (2018年8月15日 22時) (レス) id: f2ba36fa24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空良 | 作成日時:2018年6月19日 21時