彼が消えて早5年。今私は...5【安室透・降谷零】

170.side降谷 ページ12

社長室を見つけそのドアを思い切り開けると目に入ってきたのは、泣いている透流と郁流。









「透流！！郁流！！！！」









名前を呼べばハッとこちらを振り向いた2人は、俺を見るなり駆け寄ってきた。









「...っ！！とうさん！！！」





「みおが...！！！！」









言葉を発しながら俺の足に抱きついてきた2人をしゃがんで抱き寄せる。









「...連れてかれたんだな？？澪は大丈夫だ。俺が必ず見つける。...2人とも、よく頑張ったな。」









そう言って2人を抱きしめてやれば、2人は堰を切ったように先程よりも一層盛大に泣き始めた。









そんな中、インカムからは、捕縛完了と俺の方はどうかという声が聞こえてきた為、俺も現状を話すことにした。









「こちら、社長室。社長が3つ子のうちの1人を連れて逃走した。俺はそっちを追い掛けるから。後は頼んだ。」









そう伝えて通信を切る。









泣いている透流と郁流を抱き上げて話しかける。









「いいか？これから澪を奪還して粟沢...お前らを誘拐した男を捕縛しに行く。車にAがいるから取り敢えず下へ行こう。それからは俺とAの言うことをちゃんと聞くんだぞ？？」









そう話し掛けて、2人が頷いたの確認してから社長室を出ようと振り返った所で扉に寄り掛かっている人影が見えた。そしてその足元に3つ子より一回り大きな子供の影。









控えめに言って嫌な予感しかしなかった。









「俺も使ってくれて構わないぞ、安室くん。...いや、降谷零くん。かな？？」









「僕も頑張るから！！！早く澪ちゃん取り戻そう！！！」

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