彼が消えて早5年。今私は...3【降谷零・安室透】

88.side安室 ページ10

「A姉ちゃんが青が好きなのは、元彼の降谷零の瞳の色が青だったからだって！！！A姉ちゃん、ほんとに元彼さんのこと大好きだったんだなーって思った！！その話してたA姉ちゃん、凄く優しい顔で笑ってたんだよ！！まだ、ベタ惚れなんじゃない？？」









降谷零の瞳の色だから青が好き...？？









不意打ち過ぎて思わず固まってしまった。すぐに、顔に熱が集まってくるのが分かって。







昔、1度なんで青ばっかりなのか聞いたことがあったけど、すぐにはぐらかして答えてくれなかった。









あれはつまり、そういう事だったのか。









はぁーーっとため息を付き顔を手で覆ってしゃがみこめば、梓さんが大丈夫ですか！？？と慌て始めた。









...まったく、あいつは。









「ほんっとーに、可愛いやつだな...」









素の自分から零れた言葉。梓さんには聞こえなかったらしく、なんか言いましたか？と首を傾げている。なんでもないですよ？と言って立ち上がれば、コナンくんはニッコリ笑って









「耳赤いね！！！」






と言ってきた。








あの子、鬼か。鬼畜だな。これは、さっきの呟きも聞こえてたやつだ。









「Aさん、随分熱烈なんだなと思いまして。僕も頑張りますね！！」









コナンくんをジト目で見ながら耳が赤いという言葉を軽くかわす。









「安室さん！！元彼は手強いですよ！！！頑張ってください！！！！！」








梓さんはそう言ってなにやら意気込んでいる。









...強敵が自分って事だよな…。









確かにこれは手強い、そう思いながら自分で入れたコーヒーを口に含む。するとそこに、愉快な機械音が流れた。









それはどうやらコナンくんの携帯の着信音のようで。









「もしもし？昴さん。...え！？それほんと？？...いいけど。じゃあ取り敢えず僕はそっちに行くよ！！また何かあったら連絡するししてね！！」









そう言って電話を切ったコナンくんに、どうしたんだい？と聞けばA姉ちゃんが、と話してくれた。

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