505：策士 ページ9
イルミは、足を組み変えて「彼の考えてることってよく分からないからなぁ…」と呟きながら言葉を続けた。
「彼、クロロ曰く『もしかしたら、』らしいよ」
「ゾルディック家をその程度で仮押さえとは贅沢だこと」
それ、私で良くない？
ふと思って、Aが零すとイルミが思い出したように「あ、」と声を上げた。
その反応と流れが、先ほどAが同じように声を上げた時とそっくりだ。
「姉さん、親父が、」
「あーーーー聞きたくない！聞きたくない！！」
耳を塞ぐAに、イルミは「その感じだと、キルからの伝言は伝わってる様子だね」と呆れて頬杖をつく。
「あんまり姉さんが親父に折り返し連絡しないから、直接言うように言われたよ。『イルミが言うならアイツも言うこと聞くだろ』って」
「切り札使ってきたわね…」
くそ。キル相手ならまだしも、イルには駄々こねたって無駄なのを良いことに…。
Aは、苦虫を噛み潰したように口元を歪める。
美人がしていい顔じゃないな。Aの顔を垣間見ながら、珈琲を啜るヒソカ。
「いや、無理。無理よ。私今依頼受けてる最中だから。これなら、父さんも引き下がってくれるでしょ」
「その依頼、ヒソカの依頼でしょ？合間縫って親父達の依頼も熟せるよ、姉さんなら」
「無理よ。ヨークシンが現場でも無理」
「俺が知ってる姉さんなら、両方なんなく出来るんだけどなぁ…ま、姉さんにも無理なことはあるか」
「何、私に出来ないことですって？その程度朝飯前よ、両方依頼を進行する程度この私には朝飯前＿＿＿＿あ、」
Aが口を抑えるがもう遅い。
「言質、取ったからね」
携帯を見せてくるイルミ。
音声の波長が波打ち、先程の自身の言葉が再生されている。
この弟め。
「可愛くない奴」
「姉さんは可愛いね」
「………アンタ、本当に世渡り上手ね」
満更でもないA。
その双子のやり取りに、ヒソカは満足そうに目を細める。
双子丼も視野に入れよう。
Aは、イルミの携帯を指さし「その人質ではなく、音質どうするつもりなわけ？」と目を半分にし訊ねる。
「姉さんがこれ以上駄々こねるなら、親父に見せるかなぁ。俺だって、姉さんにこんな真似したくないんだよ？」
本当だよ？信じて。
こてんと首を傾けるイルミ。
なんだその可愛い仕草は。天然なのか。
「…くそっ、逆らえんっ」
「君、本当にチョロいねぇ…♤」
「うっさい、余計なお世話よ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 875人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です；；話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります！！お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します！面白すぎて全話読みました！応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい！。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします！。（💦） (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます！！🙌めちゃくちゃ嬉しいですー！🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…！ (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2022年11月11日 16時
