507:いや誰 ページ11
「いや、やっぱりいいや」
言いかけたくせに、すぐさま言葉を切ってしまうイルミにヒソカは肩を落としかける。
いやいやそこまで言われたら気になるでしょうが。
しかし、イルミは既に興味を失っているのか「姉さんにはリンゴいっぱい残してあげとこ」と、アップルパイを切り分けている。
Aのことを考え出したら、もうイルミには何を言っても返してくれないだろう。
彼の中で、姉のAは何よりも優先する事項なのである。
なんだったんだ一体。
ヒソカは黙って珈琲の続きを啜った。
ここのお手洗い綺麗だな。
Aは思いながら、手を洗う。
サファイアブルーと白を基調とし、時にモザイクタイルの装飾が施される姿は、まるで異国の地の建造物みたいだ。
「依頼の件は話したし…あとは関係報告かぁ……」
気が重いなぁ、Aはイルミを思い浮かべて呟く。
小さい頃から、イルミは姉である自分の後ろをついて歩いて、でも何かあると守ってくれて、弟だけど兄のようでやっぱり弟で。
「確かに、私もイルミに彼女が出来たら嫉妬しちゃうかも…」
早くそういう人物ができて欲しい気持ちと、そうでない気持ち。
Aは、他人事のように思わず笑ってしまう。
ふと、懐が震えた。
携帯。Aは思って、さっとハンカチで手を拭くと携帯を取り出す。
画面には、メールが届いたことを知らせるアイコンが浮かび上がっていた。
“ゴン君”
Aは、洗面台に凭れかかりメールを開く。
『おう、A久しぶりだな!俺だ!』
「…誰だ」
Aは、優しい顔をしていたにも関わらず、その文面で一気に顔を顰めた。
なんだこの文書。誰この邪気がありそうなゴン君。
え、これゴン君?と、Aは何度も文面と送り主を見比べる。
自身の記憶のゴンは、もっと可愛らしい感じであったはずだが。
Aは、少しでも文面から、あの“可愛らしいゴン君“である痕跡を見つけ出そうとメールを急いで読み進めた。
『確か、ヨークシン居るんだよな?キルアの奴が間違いないって言ってたんでな。だから、居る事を前提に折り行って頼みがあるんだ。
ジンについて教えてほしいことがある。急ぎの用事で申し訳ねーんだが、今日あたりで会えねぇか?
良かったら連絡してくれ』
「…いや、マジで誰」
Aは、一層顔を顰めてメールをまじまじと見遣る。
とはいえ、どれだけ見てもゴンからのメールなのは間違いない。
875人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鼻毛太郎(プロフ) - ドリアンさん» コメントありがとうございます😭🤍出会えたことにとっても感謝です;;話数の問題で、次章へとこれから続きますが、是非これから先も楽しんで頂けるよう励んで参ります!!お付き合い頂ければ有難いです…🤍 (2023年4月15日 20時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ドリアン(プロフ) - 初コメ失礼します!面白すぎて全話読みました!応援してます (2023年4月14日 19時) (レス) id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» 送らせて頂きました🙇♀️ (2023年4月8日 17時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ろーるぱん(プロフ) - はい!。あのそちらがボード作ってくれると嬉しいです。そのオリキャラ紹介会話とかしてみたくって。お願いします!。(💦) (2023年4月8日 16時) (レス) id: f00e1d6c6c (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - ろーるぱんさん» コメントありがとうございます!!🙌めちゃくちゃ嬉しいですー!🥺ぜひぜひ、私で宜しければボード送ってくだされば反応返します…! (2023年4月8日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2022年11月11日 16時