025:ギャルと殺人兵器 ページ25
「かっわいい七海がさぁ〜、一人暮らししてたらそりゃお姉さんは面倒見たくなっちゃうでしょーが」
「貴方散々可愛い可愛いって言いますけど、世界中で私にそんな事を言うのは貴方だけですから。感覚可笑しいのでは?こらそこ、摘み食いしない。」
キッチンからノールックで言うと、例の先輩は「何故バレた…」と呟きながら手を引っ込めた。
そりゃバレますよ。貴方の考えてることなんて、見なくても分かります。
七海は思いながら、夕食の支度を進める。
「宇宙まで範囲広げたら私以外にも居るかもじゃん」
ガーリックシュリンプを目の前に、Aはぶすぅと頬を膨らます。
「屁理屈ですね。」
完成した料理を幾つかAの前におきながら七海は言う。
「…七海さぁ、料理上手すぎね?」
「この仕事ですよ?嫌でも料理は上手くなるでしょ。というか、貴方が下手すぎなのでは?」
「さては学生時代のバレンタイン根に持ってんのかぁ〜?」
おいおい七海〜と、詰め寄るA。
呪術師はどうしても仕事上独身が多い。故に、料理が出来る人間は殆どなのだがAは違う。
高専時代、Aは「A様の手作りチョコだぞ、欲しがれ〜!」と校内にばら撒いていたことがあった。
見た目は恐ろしく綺麗な出来で、七海は「これ本当に作ったんですか?」と聞いたことを覚えている。
「やったーー!先輩からの本命チョコーー!」
「餌付けチョコだよ、悟。」
「なんで???」
餌付けって何?先輩??え??なんて詰め寄る五条。
それを横に、夏油が食べた瞬間だった。
バタッとその場で電池が切れたように倒れる夏油。
全員が青ざめた。そして、食べるのを止めようと思った瞬間。
「お前ら、残さず食えよな。」
そこから、Aと鬼ごっこが始まったのは忘れもしない。
七海は逃げ切ったが、あの最強である五条がとっ捕まえられ、
「殺人鬼!!殺人鬼だ!!誰か警察呼んでーー!!」
と騒ぎ、数分後にピタリと静かになったのは中々に恐怖だった。
「つーか、あのチョコ七海はどうしたの?」
「保存しときましたー。」
「棒読みじゃねーか。要は食べてないってことだろ。」
ジトーとこちらを見るAを無視し、七海は酒瓶を開ける。
「食べないと冷めますよ。はい、注いであげますから。」
グラスを出せと促すと、途端にAは嬉しそうに「七海やっさし〜」とグラスを差し出してきた。
不本意な引越し祝いパーティーが始まる。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時