018:ギャルと呪い ページ18
硝子の言葉を聞いた五条は、ぷっと吹き出し額に手を当てた。
「さっすが先輩。……待てよ?そしたら、僕とAで教師×生徒のプレイが成立しない?そうこうしてられないね、学長に変更してもらわなきゃ!」
「……。」
「オイオイ、オイ。無言はやめろよ、僕が滑ったみたいだろ〜?」
「滑ってんだよ。」
この旧友は10代の頃から頭が可笑しかったが、最近になり増して可笑しくなっている気がする。
特に、Aが絡むと途端に頭が弱くなる。
こんな男に好かれて可哀想にA先輩…。なんて思う反面、ここまで露骨な五条にどうして気づかないんだろうなと思ってしまう。
恋愛経験豊富そうだけど。と硝子はAの容姿を思い浮かべる。
思えば、Aとは卒業後も何度か会っているものの、男が出来た話は聞いたことがない。
高専時代の恋人が、最後だったのだろうか。
ふと、硝子は五条に尋ねる。
「…A先輩。”呪い”はまだ解けてなさそう?」
その問いに、一呼吸置く五条。
「…恐らくね。六月だってのに、長袖で隠してるし。…左腕は確実に呪いに侵食されてるね。布越しでも禍々しい呪力が馬鹿みたいに伝わってくるよ。」
乾いた笑いを含む声音。
言いながら、五条は目元の布を押し上げる。
覗く隠された瞳は、海よりも空よりも鮮やかな色をしていた。
「進行は思ったよりも遅いが、進んでるな…。昔は、手首だけだった。」
硝子も五条も同じこと思い浮かべていた。
最初は、左手首だけだった。
刺青、と言われればそれで終わるが、呪術師である人間がそれを間違えるはずはない。
手首に刻まれた、紋様。
ひと目で分かる。
人間とはかけ離れたナニカが、Aに“憑いている”のだと。
五条は天井を眺める。
「…本人も呪力抑えてんでしょ。…………恐ろしいな、土地神は。」
ぽつり、と零すと五条は目を瞑った。
脳裏に浮かぶのは、”あの日の記憶”_____
______以下、回想。
「Aが戻って来ないってどういう事だよ、説明しろ…ッ」
「私だって好きでここで燻っているわけじゃないッ!!」
深夜、田舎の駅ホームで親友と衝突した。
その日、先輩___Aは単独で任務に向かっていった。
忘れもしない、僕が高校二年の夏。
全てが、畳み掛けるように崩れていく。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時