013:ギャルと非常勤 ページ13
10カウントを数えレフェリーの立ち位置に回っている野薔薇。
床を叩き続ける五条。短いスカートにも関わらず、構うことなくサソリ固めをキメるA。
ものの数十分でだいぶカオスな状態になったな。
伏黒は携帯を操作しながら思う。
そんな中、黙っていた悠仁が「あのー…」と申し訳なさそうに前に出た。
「五条先生は何にも悪くないっていうか……食っちまったのは、俺の責任っていうか…その、」
悠仁は頭を掻く。
そんな健気な悠仁の姿を前に、Aは五条を解放しながらふっと口元を緩ませた。
「君は本当にいい子だねぇ…。ま、私と悟はさ、こんな絡み方してるけど、これが平常運転って奴だから安心しな」
「僕達古い付き合いだから仲良いんだよね〜!ね、先輩♡」
「君たち、担任がウザい時はウザいと言っていいからね。これはお姉さんとのお約束だぞ!」
さらりと言うAに、五条は「酷い!」と抗議するが当たり前のように無視。段々二人のペースに慣れてきた一年三人は、もう五条に触れないことにした。
「しっかし、宿儺ねぇ…ほぉ〜はぁ〜へぇ〜…」
サングラスをずらしながら、じっとAは悠仁を見つめる。
そして、軽く「ちょっと失礼」と言うと、左手で悠仁の胸元に手を添わせた。
「ウケる、本当に混ざってんじゃん。悠仁凄いね〜!受肉してそれか!こんなすっごいの、よく上層部は私に流さなかったな…」
いや、わざと流さなかったのか。
付け足しながら、Aは悪い笑みを浮かべる。
「やっぱ、あそこは腐ってんねぇ」
何故左手で触られ、混ざってるのが分かったのか悠仁にとっては不明だったが、とにかく事を整理するにAがここへ来たのは宿儺の件では無いらしいことは明白だった。
「知らなかったのか」
「都合悪いんでしょ、私が知ると。」
五条の言葉に、Aはあーやだやだと大袈裟に肩を竦める。
「虎杖の件が違うとなると…Aさんが来たのは、遊びに来ただけ?」
野薔薇が尋ねると、Aはぱちぱちと瞬きして見せた。そして、くすと彼女特有の艶かしい笑みを浮かべる。
「いいや。私、今日からここで非常勤講師やんの。座学とたまに実技。一年メインだから、ヨロ。」
片目を最後に軽く瞑り、ウィンクするA。
三人は目を丸くした。
驚いたから、ではない。この人が自分達の担当に混じるのだ。
こんなにも、楽しい人が。
まだ始まってもいない彼女の授業を想像し、三人は胸を踊らす。
今年の初夏は随分楽しくなりそうだ。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時