016:ギャルとQ&A ページ16
「じゃあ、Aの家って学校裏のあの寺なんだ!」
悠仁が驚きの声をあげると、Aは「そ。だから私、寺の子なの。」と得意げに返した。
既に打ち解けた悠仁は、早くもAを敬称なしで呼び始めている。
勿論、Aは特になんとも思っていない。
元々、学生時代の自分も『先生』なんて呼んで無かったしな。
夜蛾“ちゃん”を頭に思い浮かべる。
五条の居なくなった教室では、Aが勝手に初回授業を行っていた。
とはいえ、授業なんて呼べるほど大層なのでもなく、どちらかと言えば自己紹介を兼ねたお喋り会に近い。
「今はあそこに住んでいないんですか?」
伏黒はAの実家を知っているし、何度か訪ねたこともある。
そこの住職であるAの父親とも、何度か顔を合わせたことがあった。
「だって、親父超煩いからさ〜!『寺の子たるもの、毎朝4時に起きて箒で境内を掃かんかーいッ!』って。無理無理、絶ッッ対無理!!っていうか、私が早起きして箒掃きとか。ギャグかっての。」
教卓に頬杖をつき、Aは「げぇ」と吐き出す素振りをする。
伏黒もAの父親を思い浮かべ、「言いそうだ…」と零す。
すぐそばで、悠仁は亡くなった祖父を思い出した。案外似てるかもしれない。
「さぁさぁ、Aお姉さんに質問したいことなーーんでも聞いてちょうだい!」
くく、と笑い言うA。
そこで、野薔薇がこれ見よがしに「はい先生!!」と手をあげた。
「お、いいねぇ。野薔薇さん、どうぞ」
「A先生は、五条先生とどういう関係なんですか!」
伏黒が思わずギョッとする。
一体どういうつもりだと目で訴えると、野薔薇は小声で「脈あるか探んのよ。」と返した。
なんて女だ、図太すぎる。
「悟?あ、言ってなかったか。まぁ、雰囲気で察してると思うけど後輩だよ後輩。本当、失礼な後輩なのよ〜!初めて会った時、アイツ私見てなんて言ったと思う?『いい乳、合格。』って。」
「エロガキだ…」
「脈とかの話どころではなかった…」
「五条先生もやっぱ男だなぁ…その時、Aなんて返したの?」
悠仁が尋ねると、Aはヘラっとした顔で言葉を返した。
「返したっていうか、縄で縛って木に吊るしたよ。超ウケるっしょ。写真撮っておけば良かったなぁ〜」
顎に手を添え唸るA。
思わず三人の顔面が冷えていった。
「怖い。」と、誰が呟いたか静かな教室に転がった。
呪術師は大体イカれてる。
三人はその言葉を再度思い知らされたのであった。
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鼻毛太郎(プロフ) - 麗華さん» コメントありがとうございます!🙌うん億年前に書いたイラスト、そういえばあったなとコメントで思い出しました笑刺さったようでとても嬉しいです🥺まだまだ長く続くシリーズ、ぜひお楽しみ頂けたら幸いです! (8月17日 12時) (レス) @page49 id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
麗華(プロフ) - 夢主ちゃんの過去編からみてイラストを見ましたがめちゃどタイプです………これからも応援してます〜! (8月17日 9時) (レス) @page49 id: bc106b5b68 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます…!凄く有難いお言葉頂けて感激です😭😭長く続くシリーズ作品ではありますが、ぜひ今後もお付き合い頂けると嬉しいです…!!🌸🌸 (2022年1月2日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 話の構成がしっかりしててそれぞれの物語があってこんなに面白くて読みやすくて引き込まれる作品は初めてです…!!素敵な作品をありがとうございます最高です!体調にはどうかお気をつけて!! (2022年1月2日 0時) (レス) @page49 id: f6fdf86c66 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - yuuna1202さん» ありがとうございますーー!!;;今後もギャル先輩と後輩悟くんの二人を是非見届けてあげてください…! (2020年12月9日 20時) (レス) id: 2a028e4c13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年11月18日 23時