031:休息談話 ページ31
「…なにしてくれんだ、A」
「だ、だって、し、しょうがないじゃん!!」
甚爾は苦い顔で首筋を摩る。
そこにはくっきりと残った歯型が。
「痛くて噛んじゃったんだもん!!!」
コイツ反省する気ないな。
甚爾は思って、「あのなぁ」とAの両頬をがっしりと掴む。するとAは、「触るな、オッサン菌が伝染る」と無遠慮に言ってきた。
「伝染るか、アホ。治した肩また外してやろうか?あ?」
「それだけは嫌だ!!!!」
なんてクソでかい声を出すんだこのガキ。
甚爾は咄嗟にAから手を離し耳を塞いだ。
当のAは、ふふんと意地の悪い笑みを浮かべている。
腹の立つガキだ、全く。
外した肩を治したはいいが、治す瞬間あまりの痛さに我慢できず首を噛まれるとは思っていなかった。
行為中によがって噛む女とは大違いだ。
甚爾はなんて色気のない、とため息を吐く。
「オッサン、続けようよ」
「どう考えても今日は訓練無しだろ。お前、よくそんな怪我だらけで言えるな…脳筋かぁ?」
いや、頭に詰まってるのはパンケーキとクレープとプリクラか。
案の定Aは、「はぁ?オッサン超うぜーんだけど」と拗ねた。
「時間ねーのに…」
Aが呟く。
甚爾はその呟いた言葉を聞き逃さなかった。
「……その時間が無いってのは、お前の機嫌が良いのと関係あんのか?」
思った事がそのまま口に出ただけなのだが、そういえばAが機嫌がいい理由を聞いてなかったことを甚爾は思い出した。
同時、Aはよくぞ聞いてくれたと言わんばかりの笑みを見せる。
「ふふふふ……」
「気色悪ぃ笑い方すんな、抱く時思い出して萎えたくない」
「おい、勝手に抱く設定作ってんじゃねーよ」
床の上で胡座をかく甚爾。Aは向き合うように座る。
「漸く……私に単独任務が与えられたのだ!!!!」
「…」
「…祝福しろよ盛り上がれよ。ノリ悪いなぁ」
Aはむすと唇を突き出す。
「別に、俺にとってはへぇーって感じだしな」
「質問したなら嘘でもいいから食いつけよ。オッサンさぁ、よくそんなんで女囲ってるね」
「顔とこれが上手いからな」
親指と人差し指で丸を作り、そこに人差し指をズボッと通してやる。
するとAは、案の定「きっっっしょ!!!JKに平気で下ネタ言うとか犯罪すぎる!!」と騒ぎ立てた。
ざまぁみろ、テメェがどれだけギャルだろうが大人には敵わねーんだよ
甚爾は勝ったと言わんばかりにほくそ笑む。
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時