004:日常坐臥 ページ4
半笑いで言うAの言葉に、友人のギャルはぽかんと口を開けた。
「…それさ、本当に学校?」
「学校だよ。おかげで担任とマンツーマン。だーから、逃げてきたって言ってんじゃん」
Aは肩を竦める。
友人のギャルは突然ここに呼び出されたのだ。
彼女もサボりと言えばサボりなのだが、Aも右に同じであった。
それに、Aは学校自体から逃げ出してきたのだ。
「うち寮生活だよ?有り得なくね?まぁ、確かに?うちの親父うるせーからそこはいいんだけど、その代わり四六時中オッサンの担任と顔合わせんだよ?無理すぎるでしょ、気狂うわっての」
Aの口からは、弾丸のように不満が飛び出す。
「何言ってんのか訳分かんないし、怪我するし、家で念仏唱えてる方がまだマシだわ!」
「え、仏教校なんだから学校でも念仏唱えるんじゃないの?」
「………とな、え、る、」
突然カタコトになったAに、友人のギャルは顔を顰めた。
なんというか、Aは仏教校に進学した以降おかしくなってしまった。
友人のギャルとAは、中学の同級生である。
中学時代から派手に生き、サボり、煙草、酒、男遊び、オシャレ、夜遊び、とにかく楽しそうな事は全てやってきた。
だから、こんな不真面目な人間が仏教校に進学すると言った時にはそりゃもう驚いた。
けれど、入学して以降会う度にAの言動がおかしくなっている。
呪術だの術式だの呪霊だの、友人のギャルには何がなんだか分からず早々に聞き専のみに回った。
「やっぱ退学しよっかなぁー」
Aが呟いたその時。
じっとAが友人のギャルの斜め後ろを凝視し始めた。
思わず友人のギャルは振り向く。
「え、何。」
「…いや、居るなぁ」
その言葉にぎょっとする。
「まさかそれって、アンタお得意の霊感!!?」
「霊感っつーか……まぁ、似たようなもんか。うーんまぁそんな感じ」
「無理無理、何とかして!!私、アンタと付き合う様になってからお化けとか信じるようになったんだから!!どんな感じ!?長い髪の女とか!?」
「羽生えてる」
「羽ぇ!!?」
「目ん玉一個で」
「キモッッ!!!」
平然とした態度で言うAとは裏腹に、友人のギャルは青ざめ泣きそうになっている。
よく分からないが、想像しただけで気持ち悪い。
「何とかしてッ!!」
あまりにも泣きつくので、Aが人差し指を突き出しかけたその時。
「わっ、消えた____げッ!?」
「あ、蝶野」
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時