022:野望爆誕 ページ22
____。
「い゛ッッッ………クッソ……」
床にへばりつくと同時、オッサンがくぁと欠伸をした。
「どうしたァ?終わりかァ?」
ポケットに手を突っ込んだまま、オッサンは言った。
口元だけはニヤつかせて。
稽古を付けてもらい数時間。
オッサンの稽古は稽古なんて呼べるもんじゃなくて、良く言えば荒療治、悪く言えばDVって感じだった。
オッサンのウザい所は、ワザと傷だらけにしてくるところだ。
顔だろうがなんだろうがお構い無しで、だからこそ私は顔を守るのに必死だ。
顔やったらマジで金とるからな。
と言ったら、流石にやめてくれたけど。
っつーか、金絡まなかったら辞めねーのかよ。オッサン最低だな。
「絶対、オッサン女に暴力奮ってんでしょ。シテる時首絞めたりするタイプの男だ。私そういう男超無理」
「しねぇよ。知らねーのか?アレ、やると女側すげぇ気持ちいいらしいぜ?いい感じに酸欠状態になんだよ。いやぁ、絞め殺さねぇ加減って結構難しいんだがな」
「やってんじゃねぇか!!!」
なぁにが『しねぇよ』だ。
経験者は語るってのを聞いてんじゃねーよこっちは!
オッサンはしらーっとした顔で「頼まれた時しかやんねーよ」と返してきた。
「で、まだやんの?やんねーの?」
「……やるに、決まってんだろ。」
立ち上がると、足が死ぬほど痛かった。
絶対青あざ出来る。
私の足にあざとか許せねーから、死ぬ気で治す。
し、死ぬ気で死守する。
辞めればいいのに、辞めなかった。
もう強くなるとかは後回しだ。
とにかく、オッサンに負けっぱなしなのが死ぬほど悔しい。
「…いいね。来い」
オッサンは手をくいくいと動かし、向かってこいと手招きする。
全くオッサンは両手を使っていない。
私は全身使ってボロボロなのに。
まずはオッサンに両手を出させる。
なんとしてでも、オッサンをボコボコにする。
「…オッサン、ひとつ聞いていい?」
「あ?言ってみろ」
「…オッサン、専門は何」
問われ、オッサンはニヤリと笑った。
「呪具」
私はそれに一言だけ返す
「おっけー…」
____。
「夜蛾」
「何だ急に職員室に来て……というか、お前なんだその包帯と湿布だらけは」
「あー、そんなの気にすんな。木から落ちた」
土日が明け、月曜日。
Aは朝イチ真っ先に夜蛾の元へ向かった。
そして、傷だらけの体で仁王立ちし夜蛾へ言う
「夜蛾、呪具教えてくれ」
伏黒甚爾を絶対に泣かす。
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鼻毛太郎(プロフ) - ぱぴこさん» コメントありがとうございます🙌🤍強くてかっこいいクズが好きなのでこの結果なのですが、気に入っていただけたならばとても嬉しいです…!是非、引き続き楽しんで頂けたら幸いです^^ (1月21日 2時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ - パパ黒かっこよすぎ (1月21日 0時) (レス) @page34 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - 黒さん» コメントありがとうございます!🙌裏側ではいつかに向け百鬼夜行をちまちま書き溜めておりますので、いつか皆さんにお披露目できる日を楽しみにしております😌それまで暫しお待ちを…! (2022年2月16日 21時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
黒 - ギャル夢めっちゃ好きです!!🥺鼻毛太郎さんがかく百鬼夜行楽しみです😚 (2022年2月16日 17時) (レス) id: ab6a15c201 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あーさん» 頭いいなんて言われてだいぶニマニマしてます😎とはいいつつ、本人は過去に適当に張った伏線のおかげで矛盾だったり色々苦しめられているんですけどね!!笑皆さんが読んでくれれば私は嬉しいんです🥺素敵なコメントありがとうございました!🌸 (2022年1月31日 1時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2020年12月27日 22時