652：死体はフェイク ページ6
彼の言葉に、クラピカは沈黙の中躊躇うような素振りをみせたあと、思い直すよう「…そうかもな」と零した。
「Aに真実を聞いてもいないのに、決めつけたのは確かに気が早すぎた。君の姉への非礼を詫びよう。すまなかった、キルア」
頭を下げたクラピカに、キルアは「別に俺に謝ることねーよ」とすぐにクラピカに頭を上げさせた。
「俺達殺し屋は、人から恨みを買うことなんて当然と思って生活してるし、姉貴なんて山ほど人の恨み買ってんだ。今更、言われたところで屁でもねぇはずだぜ？ それよりも、」
切り出すキルアの瞳が鋭さを帯びる。
「姉貴が旅団に出入りしてるのは間違いないと思う。所属はしてなくともな」
「同感だな。クラピカを売ることは無いだろうが、まぁ真っ先に疑われるのはAだろう。要は、所属はしてないのに出入りしている部外者なわけだからな」
「レオリオの言う通りだね。ヒソカは信用されてるとは思えないし…」
ゴンの言葉を最後に、皆は結局変わらない現状に暗い顔を浮かべる。
記憶を読む女の危険性は下がるどころか、ヒソカとAに掛かっているという最悪の事実に気づいてしまっただけに終わった。寧ろ、危険性が上がったんじゃないだろうか。
「どうする。この状態なら、今後受け身でいるのは危険だと俺は思う。奴らが地下に潜る前に、討つなら討った方がいい。あまり考えてる時間はないぜ」
キルアの言葉に、クラピカは顎に手を添え暫し考えると「…確かに、キルアの言う通りだな」と切り出す。
「しかし、蜘蛛の頭が死んだ今、私はゴンの言う通り同胞達の目を取り戻すことに専念するよ」
彼の言葉に、キルアは大きく目を剥いた。
本当にそれでいいのかとキルアは再度訊ねるも、クラピカの心は変わらなかった。
ゴンの明るい笑顔を垣間見て、「すまない、キルア。それでいいんだ」とクラピカは返した。
そう言われてしまうと、それ以上キルアも彼の背を押してやることは出来ない。
復讐を最終的に決めるのはクラピカ自身なのだから。
「…そっか」
キルアが頷いたその時だった。
クラピカの懐で携帯が鳴ったのは。
「…ヒソカからだ」
クラピカの言葉に、一同は顔を見合わせる。
画面をクラピカがタップしヒソカからの連絡と顔を合わせた途端、クラピカの表情があからさまに変わった。
瞳が小さくなり、震えている。
彼から絞り出され声音が、その場の全員に最悪の事態を突きつけたのだ。
「死体は…フェイク、だと…！？」
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます！😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています！ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです！🤍 (3月31日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした！これからも更新楽しみにしてます！ (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年1月23日 17時
