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690:ベーチタクルホテル ページ44

____。



またかよ。


辟易とした気分で、キルアはため息を漏らした。

自身の腕を縛り掴むツンとした髪をひとつに纏めた女は、前にも出会ったことのある女だ。
そう、前回旅団に捕まった時。

その時に会った人間が自分を拘束しているということは…。分かっている通り、キルアはまた捕まったのである。
そして、その隣のゴンも揃って捕まってしまった。
尾行に失敗したのだ。

またかよ。キルアは、どうやら旅団が仲間と落ち合う場所にしているベーチタクルホテルのロビーに連れていかれる中思った。


ただ、前回とひとつ違う点があるのだ。


隣の男。
前髪を撫で付けたロングコートの男だ。

旅団全員が男の言うことを聞いているし、隙も全くない。
コイツ、絶対に旅団のリーダーだ。

一体、前回はどこにいたんだ。

「余計なこと考えんじゃないよ」

拘束している女が言う。

「思ってないよ」

精一杯平静を装って、つんとした態度でキルアは返すものの、内心ここからどう抜けるかを必死で考えていた。



センリツ、聞こえるか?
聞こえたら何か合図をくれ…!



小さく、小さく。
キルアは捕まっていないセンリツに呼びかける。
彼女なら、声が届くはずだ。

ホテルのロビーに姿は見えない。
だが、どこかしらでは絶対に聞こえているはず。



センリツ…!!



呼ぶも、ロビーでのそれらしきサインは何も無い。

ホテルには、自分たちの状況関係なく客が訪れる。
一人一人注意深く彼らを見るも、どれもセンリツ達ではなかった。


一人だけ、何故かソワソワと忙しない様子の客が居たが、それもどうやら違うらしい。


ゴンも横で平静を装いつつ、なんとか抜け出す手段を考えているようだ。
だがしかし、こればかりはどう抜けようか。




「何時だと思ってんだテメェッ!?あ゛!!?」



突如、ロビーに轟く怒号に、ゴンとキルアは弾かれたよう顔を向けた。

二人がけソファーのど真ん中に、でかい態度宜しく大きく足を平げて座り、その人物は呼んでいた新聞を乱暴に投げ捨てる。

「バカ、ベーチタクルホテルだッ!何度も言わせんな!」

レオリオ。
その姿に、キルアとゴンはハッとする。

「あ?何見てんだコラァ゛!勝負すっか?お?」

如何にも厄介な人間といった様子で、なんだこの客と目を向けていた旅団の面々にもレオリオは構わずガンを飛ばす。

「消しますか?」

「ほっとけ」

旅団の長はどうやら好き勝手に殺すという感性は持ち合わせていないらしい。

691:月の子供→←689:聞こえますか



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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます!😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています!ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです!🤍 (3月31日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした!これからも更新楽しみにしてます! (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2024年1月23日 17時

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