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651:姉貴の不器用さ ページ5

「兄貴を試験で見ただろ。アレの双子がAだぜ? アイツらは任務達成のためなら手段は選ばない」

真っ直ぐとAとよく似た瞳をクラピカに向け、キルア言った。

華麗なる暗殺一族。
その兄弟の頂点に君臨する双子。
彼らが仕事において妥協を見せることは勿論ありえない。
必要ならば嘘もつくし、関係の無い人間も殺す。
味方だとか敵だとか関係ない。

そんな事クラピカだって分かっている。
だけど________。


あの時、助言をくれたAの声音と屈託のない表情が脳裏にこびり付き離れない。


ギリ、苦しげにクラピカが奥歯を噛み締めたその時、ゴンの声がそれを解いた。

「クラピカ。それでも、Aとイルミとじゃ一つだけ絶対に違うところがある。クラピカに生きてて欲しいって思ってるところだよ」

「……っ、」

クラピカの形のいい瞳が見開かれる。

同胞を失い復讐のためだけに生きる自分は、とうの昔に亡霊と同じだと思っていた。
復讐の為に歩くのは、墓場を彷徨っているのと同じ。
目的が達成できるのなら、あとは皆と同じ場所へ帰るだけ。

そんな自分に、生きていて欲しいと思うなんて。

ゴンは、一切の曇りなき表情で「だよね、キルア!」と横の親友へと投げかけた。
立っていたキルアは、難しい顔をしたあと、諦めたように短く息をつきドサリとソファーに再び腰を下ろし「ゴンって本当…」と呆れ混じりに零す。

「確かに、ゴンの言う通りだよ。あの完璧主義者の姉貴が、わざわざ仕事モードの時にクラピカに声掛けたんだ。ってことは、少なくともそれぐらいは気にかけてるって事だと思うよ」

アイツ、ヒソカみたいに危ない橋渡って喜ぶような性格じゃないし。
キルアは付け足した。

「弟の俺が言うのもなんだけどさ、アイツ面倒見いいし義理堅いんだ」

「それによ、」

レオリオが口を挟む。

「Aはお前の境遇知って尚、平気な顔して騙せる程器用には見えねぇぜ?」

「そう、それ。アイツ、殺しに関しちゃ天才だけどそれ以外は超超超不器用だから。ヒソカがどう思ってるか知りたくもねーけど、そこに関しちゃアイツにちょっと同情しちゃうね」

あの不器用な姉の相手が上手くいっているなら、ヒソカの野郎、心理カウンセラーにでも転職した方がいい。
キルアの言葉を聞きながら、ゴンはそれを想像し「…ちょっとヤダ」と呟いた。

「だからさ、姉貴はクラピカが思ってるような立場じゃないと思うよ」

誰よりもAを知るキルアがそう締めくくった。

652:死体はフェイク→←650:お門違い



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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます!😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています!ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです!🤍 (3月31日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした!これからも更新楽しみにしてます! (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2024年1月23日 17時

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