682：作戦開始 ページ36
＿＿＿＿＿。
曇天に雨のカーテンがかかっている。
こんなに視界不良な天気でも、キルアの訓練された瞳はまるで晴天時のようにクリアな景色を映していた。
だからこそ、キルアにとって目の前の景色はどうしても理解出来なかったのだ。
「…昨日より、建物が増えてる」
口まで覆ったレインパーカーの裏で、キルアは小さく呟いた。
自身が先日拉致された場所に戻ってきたキルアは、遠方から一望できるビルの屋上で目の前の廃ビル群の数を数える。
間違いない。やはり増えている。
念。
じゃあなければ、説明がつかない。
「逆に、奴らがここをまだアジトにしているという事の裏付けにもなる」
姉貴も、このビルのどこかに居るんだろうか。
「っつーか、アイツがこっちに協力してくれんのが一番確実なんだけどな」
呟いて、いやいやとキルアはかぶりを振った。
いつまでも姉に頼っている訳にはいかない。
「まずは、クラピカに報告だな」
キルアは懐から携帯を取り出し、リーダーであるクラピカへと電話をかけた。
「あら、前より増えてる」
クロロが持つ紙を覗き込み、Aは言葉を零す。
「あぁ、二人な」とクロロは同じように紙を覗き確認すると、シャルナークへ渡した。
「これがノストラードファミリーの護衛？」
「そう。ボスの娘の」
増えたのは、この人達ね。Aは、シャルナークの問いに返して、写真の人物を指さした。
本拠地に帰るなら、手足は半分。
帰らないならば＿＿＿＿。
旅団の彼らは、占いに従い生存組と死亡宣告組とで班を組み、このヨークシンシティに残ることとした。
『鎖野郎』を討つ。
その結論が出た時に、Aは困り果てた。
どちらも死んでほしくはないし、けれどそれを悟られる訳にもいかない。
隠密行動の難しさたるや否や。
今後の自分の動きがかなり重要になってくるなと思った矢先、Aはふと思い出す。
そういえば、まだ私の動向って決まってないな
「しかし、娘一人にボディガード七人か…」
「娘の占いで現在の地位を父親は築いたらしいからな」
「でも、団長とAに結局出し抜かれたんだよね」
神妙な物言いのフランクリンの横で述べたシャルナークに、Aは苦笑いを返す。
あの時は本当に大変だった。この仕事が終わったら、二重スパイの真似事は二度とやらん。
Aは、セメタリービル襲撃の日を思い出して固く誓った。
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます！😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています！ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです！🤍 (3月31日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした！これからも更新楽しみにしてます！ (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年1月23日 17時
