674：言えない♤ ページ28
「ノブナガ」
彼を呼ぶクロロの声がいつもよりワントーン低いのを、ノブナガ本人も気付いていた。
「少し黙れ」
彼の声だけであたりの空気が一気に変わる。
この状況で、長である彼の言葉が如何に状況を左右することになるかは容易に伺えるだろう。
二人の時に、まるでその辺の青年のように話していたクロロを思い出すと、Aは何処か不思議な気持ちであった。
なんというか、彼はこう…『乖離』している。
「ヒソカ、幾つか質問する。答えられないものは、『言えない』でいい。まず、攫われた秘密というのは何の事だ？」
ヒソカの占いに浮かんだ詩に沿って、クロロは質問を始めた。
「団員の能力♢」
「それは何人だ？」
「七人。いや、八人か♧」
クロロ、ウボォーギン、シズク、マチ、フランクリン、パクノダ、シャルナーク、そしてヒソカ自身。
「Aは聞かれなかったのか」
口を挟んだフィンクスにヒソカは「相手は『幻影旅団』に怨みがあるからね♢」と返した。
その言葉に、フィンクスは「あぁ、そうか」と納得する。
「完全にAもウチに含まれてるもんだと錯覚してたぜ」
「悪かったわね、中途半端な立ち位置で」
客人でも仲間でもなくて。
そうは言うものの、確かに彼らとあってからかなり日が経とうとしている。
こう言ってはなんだが、彼らは思っているより人を歓迎するのが上手い。
枠外にいる者には冷たいが、一度受け入れの心持ちを抱くとまるで旧来の親友であったかのように接し始める。
なんだかなぁ…。
Aは、分からない程度に短く息をついた。
「相手の能力は？」
「言えない♤」
「相手の形貌は？」
「言えない♤」
「お前と相手との関係は？」
「言えない♤」
ヒソカの『言えない』が続く中で、ふとクロロは何か気づいたように顔を微かに上げた。
「そうか、お前がコルトピの能力を知ったのは昨日か」
「その通り♡」
「大体の察しは着いてきた」
クロロの言葉に、Aはなるほどと脳の中で相槌を打つ。
今の最後の言葉は、ヒソカと赤目の客、つまりは『鎖野郎』が会った日を割り出す為の確認だ。
ヒソカと『鎖野郎』が邂逅しているのは、昨日より前。
直近で言っても、九月二日だ。
「A、最後に確認させてくれないか」
突然自身に話を振られ、Aは眉を開く。
「君の占いの内容は、ヒソカの件に関わりがあるか？」
クロロの訊ねに、Aは固唾を飲んで瞳を泳がせた。
青い瞳に長い睫毛が影を産む。
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます！😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています！ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです！🤍 (3月31日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした！これからも更新楽しみにしてます！ (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年1月23日 17時
