673:密告者 ページ27
「ノブナガ、待て。話を聞いてからだろ」
シャルナークと共に止めに入ったフランクリンが言うと、ノブナガは青筋を浮かべたまま「話ぃ?」と片眉を上げた。
「ンなもんねぇな」
「落ち着きなよ、これは予言だから。行動によっては回避できるって団長言ってただろ」
シャルナークが言うと、隣のフランクリンが「ヒソカ」と件の男の名を呼んだ。
「今週何があったか説明しろ」
「言えない♧」
ヒソカの言葉に、Aはそうきたかと内心呟く。
「じゃあ、Aでもいいよ」
「シャル君。お言葉だけど、今週の私はヒソカ君よりも、そこに黙って座ってる団長さんとの方が行動時間長いの」
そうよね。
Aがクロロへ確認の言葉を投げると、クロロは「あぁ」と短く頷いた。
厄介なことになってきた。
シャルナークとフランクリンが顔を見合せたところで、ヒソカはトランプを切りながら「けど、」と言葉を付け足したのだ。
「そこにある一つ目の詩の内容は、事実だとだけ言っておこう♢」
「ほら見ろ、退け!!」
「まぁ待てって!」
威嚇する獣が如く唸り立てるノブナガをフランクリンが止める。これだから強化系は。
内心フランクリンが思ったのは言うまでもない。
「なぜ言えない?」
シャルナークが冷静に訊ねた。
「それを言ったら、言えない内容を言ったも同然なので言えない♢言わないんじゃなくて、言えない。ボクがギリギリ言えるのはそこまで♧」
Aの横で、ヒソカがゆらりと立ち上がる。
「それで納得が出来ないなら、ボクもボクを守る為に戦わざるを得ないな…♢」
彼の手に構えられた一枚のトランプ。
『詩人じゃなくて役者ね』とAは、横目で垣間見ながら思い直す。
一本の糸がピンと張られたような空気の中、ノブナガはヒソカと瞳だけで間合いを図り合うと、暫くして腰に刀を納めたのだ。
「やめとくぜ。てめェは戦りづれぇからな」
ダウト。
Aはすぐに唇の裏で呟く。
刀を納めた割に、ふつふつとした怒りが今だ空気中に揺蕩いでいるからだ。
腕を組み余裕気な態度をそのままに、Aはヒソカから一歩身を引く。
Aの予想も大当たりで、ノブナガはすぐさま「なわけねェだろボケェッ!」と声を張り上げると同時に、ヒソカとの間合いをグッと縮めた。
しかしだ。
瞬きを終える頃、目の前にいたはずのノブナガは姿を消していた。
クロロの背後。ノブナガは、何故かそこに居る。
念、か。
Aは、興味深げに顎を撫でた。
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます!😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています!ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです!🤍 (3月31日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした!これからも更新楽しみにしてます! (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2024年1月23日 17時