669：ゴミみてぇなキス ページ23
Aの小指を出した手は、ヒソカの大きな片手に覆われたまま。手同士が重なり合うその上で、唇同士が触れ合う。
雨音と雷鳴のベールの中で、一瞬のことがやけに長く感じられた。音だってまるで消えたみたいだ。
ちゅ、と離された時に小さく音が鳴った。
時でも止められたように呆然とするAに、ヒソカは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「約束ね♡」
ザァッと世界に音が戻ってくる。
途端、現実に引き戻されたAは椅子からひっくり返った。
「わぁ、ギャグ漫画みたい♤」
芸達者だね、なんて呑気に零すヒソカに対して、Aは丸テーブルを支えによじ登るよう立ち上がると叫んだ。
「さ、最低！！！ゲロ吐いた口なんだけど！！？？」
「別に大した事ないさ。言っただろ？君相手なら経血でも飲めるって♢ 大体、この際だから白状するけど、泣きながらゲロを吐く君を見て正直半勃ちだったんだから♤」
「キッッッッッ、」
言いかけたが、Aはヒソカが元よりドの付く筋金入りの変態であることを思い出した。
ただのいやらしいだのなんだのの単純な変態ではなく、自分の欲望を満たすためなら平気でアクセルを全開で踏めるし、周りの見る目が蔑みに変わろうが関係なく興奮できる特上の変態だったんだ。
私に気持ち悪いと言われたら言われたで、舌なめずりをしておっ勃てれるんだった…
完全に恋人フィルターかかってらぁ…
Aは頭を抱えた。
「こんなにも最低なキス、私史上永遠に残ることになる…」
「クク、そう思って今したんだよ♡これで君が約束を忘れることはないだろ？」
ヒソカに言われて、Aはぐぬと言い淀んだ。
確かに。間違いなく思い出すし、この記憶を無かったことには出来ないので、Aが約束を有耶無耶にすることも全て出来ない。
全部がヒソカの思惑通りだ。
「あげる♧」
剥けたから、と渡してきたリンゴは皮が全てチェッカー柄に剥かれていた。
飾り切りのレベルじゃないだろとAは、両手にリンゴを載せて口元を引き攣らせる。
ここにも全力の変態っぷりを見せつけてくる隣の男に、Aはここで動揺なんぞ見せてやるかと意地でリンゴを齧った。
「ま、君の悩みはその夢の話だけではないだろうけどね♢」
ふと、ヒソカが漏らした言葉に、Aは齧ったまま固まる。
待て、その話はするな。
「本当は、あるんだよねぇ…ボクに言いたいこと♡」
ヒソカはニタリと笑う。
「待ってるからねぇ、君が白状してくれるの…♡」
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます！😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています！ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです！🤍 (3月31日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした！これからも更新楽しみにしてます！ (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年1月23日 17時
