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663:占いは口ほどに ページ17

調子いいんだから。
Aは睨みを利かせるも、クロロが「じゃあ書かなくていい」と言ってくれる訳でもないので、彼の希望通りの内容を書き終え渡してやった。

「ヒソカ君、貴方も書いた方が____、」

「ボクもう書いたよー♧」

「早ッッ!!?」

そんなに、意識を遠くにやってしまっていたかしら。
Aは目頭を難しげに抑えた。

ダメね、今朝の感覚が抜けてないのかも。
心做しかボーッとしてしまうし、頭も重い。
完全復帰と思っていたのは杞憂だったのだろうか。

「Aも、俺たちと居る時点で死ぬ可能性は十二分にあるもんな」

クロロに紙を渡す後ろから、フィンクスが意地悪げに笑って言葉を投げると、Aは顔を顰めて「なんで嬉しそうなわけ」と詰めてやる。

「面のいい女と地獄行きなんて、中々願っても叶うようなもんじゃねぇだろ」

「残念だけど、その面のいい女は死ぬつもりもなければ死なないと自負しているの」

ふふん、と得意気に鼻を鳴らしクロロから占ったあとの紙を受け取るA。
「一癖ある女なんて言葉が可愛く思えてくるな」と呟くフィンクスの言葉を耳に入れるも、素知らぬ顔でAは占いに目を通した。







その時。







毅然とした態度を一切崩さぬAの瞳が震えた。
ぐら、と揺れた瞳は、暫く占いが書かれた紙を射抜くように見つめたままであったのだが、ほどなくしてAの異変が瞳以外にも顕著に出始めた。

「…、」

咄嗟にAは、焦点が徐々に合わなくなっていく目元を抑えようとしたのだが、それよりも先に身体が平衡感覚を失う。

「ちょっと…っ」

驚いたマチがAへと一歩踏み出しかけたが、それよりも先に目の前にいたクロロがAを支えた。

「何が書いてあった?」

Aは、彼の訊ねに返すことなく、代わりに紙をクロロの胸に叩きつけた。
クロロはその紙を受け取りながらも、支えたAを通して彼女の息が微かに上がっているのに気づいた。

見開かれた瞳。
だが、苦しげに顰められた眉。
元々白い顔が、余計に青白さを帯びている。

「A、」

「私、もうその紙見れない」

Aはそう一言クロロに告げると、彼から体を離して「外の空気吸ってくる」とフラ付きながらも足早に出ていった。

「団長、アレ…普通じゃなかった。私行ってくるよ」

「いや、いい」

マチをクロロが制す。
ヒソカの背が出口に消えて行ったのを、クロロは見ていた。

一体、何が書いてあった。

664:融解する贄→←662:流星街から



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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます!😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています!ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです!🤍 (3月31日 10時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!!😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした!これからも更新楽しみにしてます! (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鼻毛太郎 | 作成日時:2024年1月23日 17時

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