661：嵐の予感 ページ15
雷鳴が沈黙を埋める。
「悪い予言を回避するチャンスが与えられるのが、この能力の最大利点だ。俺達がここを離れれば、占いに背くことになる。『鎖野郎』には会わない」
ノブナガ、クロロは恐ろしいほどたんとした声音で彼の名を呼び続けた。
「情報・処理部隊は俺達の生命線だ。お前やウボォーはそれを守り最悪捨て石になるのが役目じゃなかったか。旅団の立場を忘れ、駄々を捏ねているのは俺とお前どっちだ」
クロロの言葉を聞きながら、Aは遠くで「ふぅん…」と声を漏らす。
「じゃあ、ヒソカ君は捨て石の役割の方なのね」
「冗談言わないの♤そこまで情はないよ♡」
互いに聞こえる声音だけで会話をし、ヒソカは愉快そうに喉奥で笑う。
クロロは、それ以上ノブナガに口を開かせることは無かった。
雷鳴の音がまた酷く鳴る。
「雨、止むかしら」
Aは、窓の外へ目を向けて呟く。
「追いかけられるなら、天気良くなるといいんだけど。濡れたくないわ」
そうは言っても、この天気では止みそうにないのが現実。
生死を決める話し合いをしている旅団を前にして、Aは当たり前だが呑気であった。
こんな予言なんて出されたら、あとはなるようにしかならないじゃないか。
天気だけじゃなくても憂鬱だ。
まぁ、ここから計画を短い時間で建て直し巻き返すのがプロなのだが。
すると、ふとヒソカが「少なくとも、追われるとしたら『鎖野郎』ぐらいだよ♢」と口を開いた。
「…？ マフィアの連中って、そんなに諦めよかった？」
Aが首を傾げると、ヒソカはやけに驚いた顔を見せた。
「君、本当に何も知らなくてマチとつるんでたの？？」
「は？ なによ、勿体ぶってないで答えてよ」
「うーん、可愛く頼んでくれたら考えようかなぁ…♡」
「マチに聞いてくるからいい」
「……拗ねないでよ♢」
早々に訊ねに行こうとするAの肩を掴み引き止めるヒソカ。
じゃあ、正直に言って。口では言わずとも、じとりとした横目がヒソカを刺し、Aは頬杖をつく。
「流星街。さすがにそれは分かるだろ♤」
「勿論。政治干渉を受けない、廃棄地区。いや、もうあれは都市かしら。………ウチの執事の多くは、あそこが出身だから」
微かに、Aの声のトーンが落ちたのをヒソカは聞き逃さなかった。
言葉の中で、執事の誰かを思い出したのだろう。
「あら、そういえば流星街はマフィアンコミュニティーと蜜月関係があるわよ＿＿＿＿＿ちょっと待って、まさか…」
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます！😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています！ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです！🤍 (3月31日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした！これからも更新楽しみにしてます！ (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年1月23日 17時
