658：うさちゃんリンゴ ページ12
「言葉の通りだ。今夜此処を経つ」
クロロの言葉が、無駄に広いアジトに響く。
妖しげな笑みを口元に浮かばせたヒソカに対して、Aは小さく「ちょっと、呑気してる場合じゃなさそうよ」と耳打ちする。
「君の腕の見せどころだね…♧」
「本職は殺し屋だってことお忘れかしら」
ヒソカにじとりと横目を向ける。
「今夜でお宝は全部頂ける」
それで終わりだ。たんとした口調で締め括ったクロロに、ノブナガは気に入らないと言わんばかりの面持ちで「まだだろ」と返してみせた。
「『鎖野郎』を探し出す」
「拘るなぁ」
呆れたクロロの言葉に、ノブナガは怯むことなく「あぁ、拘るね」と頷く。
「このままウボォーの仇は取らず、俺達はそれでまた散り散りだって？ウボォーが空で退屈しちまう」
冗談交じりな口調でノブナガは言ったが、彼は本気だ。
Aは、彼らの動向を眺めながら、最後のバケットサンドを口の中に放り入れた。
「いい加減にしねぇかノブナガ。団長命令だぞ」
フランクリンが言う。
無論、ノブナガもそれは承知であった。
しかし、だ。
「お前のそれは、団長としての命令なのか？それでいいって？クロロよォ」
ノブナガの鋭い瞳と、読めないクロロの瞳がかちりと合う。
「難しいところねぇ」
「君、まだ食べるの？」
まるで、スポーツ観戦でもしてるような気持ちで述べるAの横で、彼女を見たヒソカは眉を潜めた。
Aの手には、いつの間にかリンゴが丸ごと握られているではないか。
「ええ。暇だし」
当然。
そんな顔で言うと、A はスカートのスリットを捲って腿に付けられたナイフベルトからナイフを取り出し、しゃりしゃりとリンゴの皮を剥き始める。
「食べる？」
「そのナイフ、誰か刺した後のナイフかい？」
「あら、貴方そんな事気にするタイプ？洗ってあるわよ。ルミノール実験？ したら、べっとり反応出てくるでしょうけど。はい、うさちゃん」
ナイフの先に、器用にカットしたうさちゃんリンゴをぶっ刺したまま、先をヒソカに向けるとヒソカはナイフから直でリンゴを口に入れた。
「…よくナイフから直食いできるわね。そっちの方が怖いわよ」
「君からなら槍だろうが氷だろうが人だろうが、なんだって食べるよ♡」
「貴方の場合本当に喰いそうだから怖いのよ…」
Aが言った矢先のこと、ノブナガの怒鳴り声で二人は団員達の方へ視線を引っ張られるように戻した。
「俺は“クロロ”に聞いてんだよ」
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鼻毛太郎(プロフ) - めもめもさん» コメントありがとうございます！😭ここからはしっかりゾル家姉にも働いてもらって……と考えています！ぜひ、活躍お見逃し無く楽しんで頂ければ幸いです！🤍 (3月31日 10時) (
レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
めもめも - つづき気になりすぎてやばいです笑早く読みたいです✨ (3月31日 0時) (レス) @page38 id: 4f69df3854 (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - あめみやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！😭🙌原作があるところまでとはなりますが、長々と続けていきますので是非以降もお楽しみください🤍 (3月21日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
あめみや - 今までで読んできた中で一番良い作品でした！これからも更新楽しみにしてます！ (3月21日 15時) (レス) @page36 id: ca00368d0e (このIDを非表示/違反報告)
鼻毛太郎(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます。返信させて頂きましたので、そちらご参照頂けますと大変助かります。 (2月18日 16時) (レス) id: 642d1e8526 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鼻毛太郎
| 作成日時：2024年1月23日 17時
